2匹の姉妹猫、なるととこつめの毎日は朝4時半から始まります。毎朝の恒例は里親さんの顔を舐め回し「起きてよー」とねだり、里親さんが起きてエサをあげた後は、昼夜問わず2匹一緒に家中を走り回り、大運動会状態。なんともヤンチャで楽しい2匹の様子を前に里親さんも目を細めます。
悲しい過去と「譲渡に至らず」の逆境を乗り越え再び吉報が
このなるととこつめ、高知県東部のとある場所で生まれた間もなく人間から棄てられていた猫でした。
命を落とすところを警察署がいったん捕獲。その後ほど愛護団体・アニマルサポート高知家が引き出し、2匹のお世話をしながら里親さんを探すことになりました。
ほどなくして「2匹一緒に迎え入れたい」という里親希望者さんが現れ、トライアルを実施することになりましたが、諸事情あって正式譲渡には至らず再び団体に舞い戻ってくることに。
その後、なるととこつめは出会いを待ち続けることになりましたが、高知県内にある常設譲渡スペースに2匹一緒に参加したところ「ぜひうちの家族になって欲しい」という声がかかりました。
先住猫を亡くした失意の里親さんに元気を与えた2匹
申し出た里親希望者さんは、ずっと一緒に過ごしていた先住猫を少し前に亡くし、失意に暮れて常設譲渡スペースに立ち寄ったそうです。そんな中、なるととこつめがうれしそうに力いっぱい走り回る様子を見て、元気をもらったような気持ちになり、その場で「ぜひうちの家族になって」と申し出たのだそうです。
トライアルを実施すると、なるともこつめも里親希望者さんにすぐに心を開き、そして臆することなく大運動会。
里親希望者さんは2匹の自由奔放な行動に振り回されるところもありましたが、それ以上に大好きな猫との生活を送れること、そして2匹のおかげで家が明るくなったことがとにかくうれしく、正式に迎え入れることにしたのだそうです。
棄てられていた保護当初は息も絶え絶えだったなるととこつめですが、ここまでの通り、心ある人たちの連携でなんの不安もなく元気いっぱいの幸せな猫生を掴むことができました。2匹のさらなる幸せな未来を願いながら、この好例のように、より多くの保護猫が幸せな猫生を掴んでくれると良いなと思いました。
(まいどなニュース特約・松田 義人)