運命の出会い
千葉県在住のHさんが、保護猫のとろちゃんとねぎちゃんを迎えたのは2024年6月のことでした。元々、先住猫ちろのために新しい仲間を探していたHさん。ちろは猫エイズを持っており、夜になると寂しさから鳴くことが多くなっていました。そんなちろに合う友だちを探そうと、Hさんは何度も近所の保護猫カフェを訪れていたといいます。
ある日、Hさんは保護猫カフェで出会った美しい4兄弟に心を奪われました。店員さんから「猫エイズ陽性のため里親がなかなか見つからない」と聞いたHさんは、同じく猫エイズを持つちろとの相性が良いかもしれないと感じ、運命的な繋がりを感じました。その場でとろちゃんを引き取ることを決め、迎える準備を進めました。
ところが、とろの引き取り当日、Hさんは「まだ里親が決まっていない兄弟が1匹いる」と聞かされます。仲良しな兄弟たちが一緒にいられるように、Hさんはもう1匹のねぎちゃんも一緒に迎え入れることにしました。こうして、2匹の子猫がHさんの家族になったのです。
先住猫ちろくんとも仲良しに
新しい環境に緊張していたとろとねぎは、最初は警戒しながら身を寄せ合っていました。しかし、Hさんが子猫ミルクを与えると、すぐに喉を鳴らしながらHさんに擦り寄ってきました。ちろに対しても最初は警戒していましたが、すぐに打ち解け、鼻をツンと合わせて挨拶するほど仲良くなりました。ちろもすぐに2匹の子猫に毛繕いをしてあげて、家族の絆が深まる瞬間でした。
とろという名前は、保護猫カフェで4兄弟に「トトロ」という仮名が付けられていたことから。Hさんは、どの兄弟が来ても「とろ」と呼ぶつもりでいました。一方で、急遽迎え入れることになったねぎちゃんは、常にとろに寄り添っていたため、「ねぎとろ」という愛らしいコンビネーションにちなんで名付けられました。
とろちゃんは甘えん坊で、Hさんに常に「にゃっにゃっ」と甘えながら近づいてきます。お気に入りのぬいぐるみを大事に持ち運んだり、猫トイレに集めたりする様子は、Hさんの心を癒やしてくれます。一方、ねぎちゃんはちろが大好きで、いつも彼を追いかけ回しています。ねぎちゃんの骨格は大きく、獣医さんからも「将来大きな猫になる」と言われるほど。彼の不思議な動きには、Hさんもいつも笑顔にさせられています。
Hさんにとって、初めての多頭飼いは予想以上に大変なものでした。家の中はいつもドタバタですが、3匹が仲良く遊ぶ姿を見ていると、そんな苦労もすべて愛おしく感じます。今ではちろ・ねぎ・とろの3匹と猫可の賃貸で暮らし、定期的に実家の猫とも触れ合う生活を送っています。Hさんにとって、4匹の猫たちは日々の幸せを運んでくれる存在です。これからも、Hさんと猫たちの穏やかな日々が続くことでしょう。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)