ネット上で今、あるファッションをめぐる投稿が大きな話題になっています。「親に『ピンクハウスおばさん予備軍』って言われたけど、ピンクハウスお迎えできる財力があり、好きなものに囲まれて歳を重ねていく女性って最高なのでは?」。投稿したXのアカウント名「ねむるねこ」さん(@sleepyhead3_3)に話を聞きました。
ピンクハウス店内での何気ない会話だった
20代のねむるねこさんは現役の医学部学生。「懐古ロリィタとヴィンテージ風なガーリースタイル」が好きで、ロリィタ服の「BABY THE STARS SHINE BRIGHT」や原宿を中心に人気の「merry jenny」などのブランドを、かわいらしく上品に着こなしています。
そんなねむるねこさんは先日、母親と一緒にファッションブランド「PINK HOUSE(ピンクハウス)」の店舗へ。フリフリの襟や段々スカート、花のプリントなどが印象的なブランドです。ねむるねこさんがある一着を試着した姿を見て、母親が口にした感想は「それはピンクハウスおばさん予備軍って感じ」。
「母は私がピンクハウスを着ることに対して抵抗があるわけではなくて、ただお買い物してるときの何気ないひと言でした。もともと母はかわいい格好をしてる私が好きだと言っていたので、素直に『なんでそんな嫌な言い方するんだろう』と思いました」
その後、店内で納得の一着を見つけた2人。母親は国家試験を控えた娘の「応援のために」と買ってくれました。
このときの会話から、金銭的な余裕があり、好きなものに囲まれた生活を送る大人は「最高なのでは?」と思い、自身のXに投稿。投稿後、約3日で約225万回以上表示され、いいねの数は4.5万を超えました。
「私の何気ないひと言が拡散されて素直に驚いております。肯定的な意見を下さる方が多かったですが、やはり否定的な意見もありました。それに対しては人によって考え方が違うのは仕方ないのでなんとも思ってなかったのですが、『着たいけど似合わないから着れない』と言っていた方も多く、それが少し悲しいなあと思いました」
好きなスタイルを貫く理由は。
「私自身、自分がロリィタやガーリーファッションが完璧に似合ってるとは思っていなくて、ただ好きだから着てるだけなので…。似合うお洋服を選んで着ることも素敵なことですが、1人でお出かけするときや、同じ系統のファッションが好きなお友達とお出かけする時は、勇気を出して自分の一番好きな系統の服を着てみてもいいのではないでしょうか」
将来の夢は精神科医、老後は?
精神科医を目指すねむるねこさん。「特に児童精神科医になりたいと思っております。女性の精神科医はまだまだ少ないので、女性として、同性や子供達が診察を受けやすい医師になりたいと思っております」
中年以降、老後の生き方は。
「頭がしっかりしてるうちはずっと働いていたいと考えていて、老後は医師として働きながら、休みの日は好きなファッションでお友達とお茶したり薔薇園をお散歩したりするおばあちゃんになりたいです」
SNS「おしゃれは自分のためにするもの」
今回注目された投稿に対し、SNSユーザーからは「『ピンクハウスおばさん』は褒め言葉!」「ピンクハウス着こなしてる人めっちゃカッコいい」「確固たるスタイルを持った大人のブランドです」「好きなものを買えることは幸せなことです」「おしゃれで自立して…最高です」「おしゃれは自分のためにするもの」「好きな服と年齢は関係ないですよ」「還暦過ぎておりますがピンクハウスを着ております」などの声が寄せられています。
価格に触れる人も多く、「ピンクハウス着る人はお姫様」「お値段びっくりしますよね」「本当に豊かな人しか買えないですよ」「一度は着てみたいです」などの声も上がっています。公式サイトを見ると、新作には「野ばらとチェリープリントパッチワークワンピース」は 165000円、「野ばらとチェリープリントワンピース」96800円、「ローンフリルスカート」85800円、「チェリーモチーフ使いヨーク編みニットカーディガン」 59400円(全て税込み)などがあります。
ピンクハウスは1972年、デザイナー金子功さんが立ち上げたブランド。1980年代のDCブランドブームを牽引しました。2022年には創立50周年を迎え、記念展も開催されました。金子功さんは東京・文化服装学院出身。同級生には高田賢三さん、コシノジュンコさん、松田光弘さん(ニコル創業者)らそうそうたるメンバーがいます。
(まいどなニュース・金井 かおる)