多くのアイドルが10~20代で卒業する中、43歳でソロアイドルを続ける女性がいる。青髪がトレードマークのまりえさん。年間200回以上のライブを行い、曲中では右脚でハイキック。水着撮影会にも参加し、ビキニ姿を披露する。「しんどいわ~って言いながら、ライブはちゃんとします(笑)43歳の動きやなって思われるのは嫌なので」。40代になってもアイドルを貫く思いとは―。
メイド喫茶の客に勧められ…
アイドルには興味はなかったというまりえさん。フリーターとして仕事を転々としていた28歳の時、友人に誘われて大阪のメイド喫茶で働き始めた。接客中、お客さんに勧められた。「アイドルとか、いけるんじゃない?」
「モーニング娘。」などアイドル動画を見始めると、すぐにのめり込んだ。「コンサートにも足を運んで、歌って踊るってすごいなと尊敬したんです」。独学で歌とダンスを研究して初ステージを踏むと、会場の盛り上がりが心地よかった。「高校生気分だったから、年齢は気にしなかったんです。メイド喫茶でも17歳で通していたし」と話す。
バイトを辞めてアイドルに一本化したのは31歳。名古屋のテレビ番組が主催するアイドルオーディションで、〝ネタ枠〟として合格した。結局、「個性を殺してしまうからソロの方が向いている」と告げられ、ユニットには入れず。ソロとして突き進むこととなった。
水着撮影で7キロダイエット
月収は約5万円。家賃や食費を事務所に担ってもらい、何とか活動を続けた。34歳で「隠し続けるのも変だし」とあえて年齢を公開すると、少しずつ注目を集めた。
転機は、41歳で参加した水着撮影会だ。これまで「40代が水着なんて…」と断っていたが、コロナ禍を機に7キロのダイエットに成功し、満を持して参加した。「エステでお尻が四角になっていますよ、とか言われながら(笑)ジムにも通って、本当に頑張りました」。怖くて仕方がなかったというが、若いアイドルを見て意外といけると思ったという。「背中やお尻は見えていない部分なので疎かになりがちというのが分かって、少し安心したんです(笑)」
SNSに水着写真を投稿すると、大反響。「20代と並んでも違和感ない」「めっちゃきれい」と話題になった。今も若さを保つために食事やスキンケア、ヘアケアには人一倍気を遣っているといい、「絶対に衰えたくないので!お金が掛かりすぎてやばいけど、ファンの人たちに支えてもらっています」と笑う。
アウェーなライブでも、どよめけば勝ち
でも、どうして40代になってもアイドルを続けるのだろうか…?「ライブでファンの方たちが盛り上がっているのが嬉しいんですよ。それに尽きますね」と語る。一方で、「集客力はないです」ともきっぱり。「アイドルの中で、マツコ・デラックスさんや小林幸子さん的なポジションだと思っていて。1位にはなれないけど、絶対にいる存在みたいな。ライブに行ったら、まりえさんいるでしょって」と答える。
ライブには他のアイドルを目当てに来る人で埋まってしまうこともあるといい、無表情で見られることもあるという。それでも、めげない。「43歳だと思われないがために、さらに気合いが入ります!1曲終わった後、MCで43歳ですって言うんですけど…。どよめいたら勝ちです」
(まいどなニュース・山脇 未菜美)