卓上調理を楽しむだけでなく、非常用の防災備蓄としても活躍する「カセットこんろ」。みなさんはどのくらいの頻度で利用していますか。一般社団法人日本ガス石油機器工業会(東京都千代田区)が実施した「カセットこんろと防災鍋の実態調査2024」によると、3人に1人以上が「全く使っていない」ことがわかりました。また、災害時のカセットこんろ・カセットボンベについても約3割が「不安がある・役立て方の想像がつかない」と回答したそうです。
調査は、カセットこんろを所有する全国の25歳以上の男女360人を対象として、2024年8月にインターネットで実施されました。
その結果、カセットこんろについて、半数近くの人が「日常生活で年に1回~数回は使う」(46.7%)と答えたものの、「防災備蓄として持っているだけで日常では全く使わない」(20.8%)と「目的・用途はなく単にあるというだけで日常ではまったく使わない」(14.7%)を合わせて35.5%の人がカセットこんろを全く使用していないことがわかりました。
また、「カセットボンベの所持数」に関しては、「1~3本」(57.5%)が最も多く、23年調査の63.6%から6.1ポイント増となったものの、政府が推奨する「1人1日1本弱程度」にはまだ及ばない実態が明らかになりました。
さらに、「カセットボンベの保管場所」では、「キッチン・ダイニング・リビング廻り」(64.3%)が最多となった一方、「押入・納戸・クローゼット」(32.7%)、「物置(屋外)」(3.8%)、「ガレージ・納屋」(3.5%)など存在を忘れがちになりやすい場所に保管されているケースが4割近くを占めています。
続けて、カセットこんろ・ボンベの製造年について「年に一回程度は確認していますか」と尋ねたところ、「カセットこんろもカセットボンベも確認していない」(53.1%)人が半数以上を占め、「両方確認している」(26.1%)と答えた人は2割強にとどまりました。
また、「カセットこんろ・ボンベの交換の必要性」については、「いずれも古くなったら交換が必要だと認識している」(41.4%)が最多となった一方、「カセットボンベは古くなったら交換が必要だと認識していたが、カセットこんろは認識していなかった」(23.1%)という人が約2割ほどみられました。
最後に、「災害時において、カセットこんろ・カセットボンベを適切に役立てられる自信」について聞いたところ、「少し不安」が24.4%、「役立て方がほとんど想像つかない」が6.1%と合わせて3割を占めており、普段からカセットこんろを使用して被災時の食事作りの練習が重要であることがうかがえる結果となりました。
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なお、「カセットこんろ・カセットボンベの取り扱い」について同法人は、「製造から10年以上経過しているカセットこんろ、製造から7年以上経過しているカセットボンベは、経年劣化により古くなっていくにつれて、ガス漏れなどの事故が発生するリスクがでてきます」と説明。
そのうえで、「カセットこんろの買い替え検討の目安は10年、カセットボンベの使用期限の目安は7年です。ご使用の前にそれぞれの製造年をチェックしましょう(カセットこんろは本体側面に貼られている銘板シールで、カセットボンベは缶底の数字で製造年が確認できます)」と述べています。