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「孤独を感じた」「離職した」「叩いてしまった」 不登校が家族に与える影響深刻

まいどなニュース 2024年10月27日 20時30分

子どもの不登校が過去最多を更新するなか、不登校は保護者にも深刻な影響を及ぼしていることがSOZOW株式会社(東京都品川区)による調査でわかりました。同調査によると、不登校の子どもを持つ保護者が「孤独感」を感じたり、「離職せざるを得なかった」と回答している一方で、不登校になった際に「学校から情報提供はなかった」と回答した保護者が約半数を占めたそうです。

調査は、同社が運営するオンラインフリースクール『SOZOWスクール小中等部』に通う小中学生の保護者187人を対象として、2024年8月~9月の期間にインターネットで実施されました。

まず、「子どもの不登校によって起きた変化」について聞いたところ、「気分の落ち込み」(57.2%)や「孤独感を感じた」(54.5%)が半数以上を占めたほか、約5人に1人が「離職せざるを得なかった」(18.7%)、約1割が「死にたいと感じた」「子どもを叩いてしまった」(いずれも9.1%)と回答しており、不登校が生活困窮へと繋がったり、希死念慮を伴うほど追いつめられたりと、保護者に深刻な影響を与えていることが改めてわかりました。

続けて、子どもが不登校になった際の「学校からの情報提供」について聞いたところ、約半数が「情報提供はなかった」(49.7%)と回答し、教育支援センターなど「公的機関の支援内容の情報提供があった」(38.0%)を上回りました。

また、「学校からの必要な情報提供がなくて困った」保護者は77.0%を占め、さらに不登校か否かに関わらず「日常的な情報提供に賛成」する保護者は80.7%に上っており、「不登校になる前に知っていたら、子どもが『学校に行きたくない』と言ったときの対応は変わっていたと思う」という意見が寄せられました。

一方、「日常的な情報提供に反対」(0.5%)、「どちらとも言えない」(18.7%)と答えた保護者からは、「当事者になって初めて必要とする情報なので、それ以前には関心がなく情報提供の意味がない」「ほとんどの人には必要ない情報のため」などの意見も聞かれました。

なお、「学校からの支援情報に関する情報提供」についての意見も求めたところ、「教師によって情報提供の仕方がまったくちがう。最初に登校しぶりがあった時に『とにかく連れて来てくれればよい』といってまったく情報提供がなかった」「学校以外の居場所はほとんど自分で探さなくてはいけなかった」「学校は不登校になっても聞かなければ何も教えてくれないし、聞いても何も知らない」など、学校が十分な情報を把握しているか疑問視する声や、不登校に対する学校の理解を求める声が多く挙がりました。

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このような調査結果を踏まえて、明治学院大学准教授の関水徹平氏は、「不登校関連の支援についての情報をふだんから積極的に保護者・児童生徒に提供するということについて二の足を踏む学校は多い」と指摘。

そのうえで、「『教育機会確保法』でも強調されているように、子どもたちが学ぶ場は学校だけではない。学校外の学びの場について単純に情報を提供するというよりも、学校と学校外の学びの場の関係について、子どもや保護者とも日常的に一緒に考えるような機会を作っておくことが、子どもや保護者へのサポートにもつながるのではないか」と述べています。

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