「がんも」くんとX(旧Twitter)ユーザー・自然界のKahori(@neconecomirin)さんが出会ったのは、2020年9月1日のことでした。
飼い主さんが近所のゴミ捨て場で、段ボール箱に入れられていた小さな命に気づいたことがきっかけです。「当時、がんもは生後推定1週間ほどでした。両目は目やにで塞がっていましたが、懸命に鳴いていました」と飼い主さん。
そのか細い鳴き声に心を動かされた飼い主さんは、すぐにがんもくんを保護し、家族として迎えることを決意したのでした。
保護後、大変だったことは
保護された当初、がんもくんの両目は目やにで覆われており、視界が完全に塞がれていました。
「とにかく目を治してあげなくては」と、飼い主さんはがんもくんをすぐに動物病院へ連れて行き、目薬や飲み薬を使った治療を開始。がんもくんは点眼の際も嫌がらず、非常におとなしい子だったそうです。
その後、がんもくんは治療を重ね、ようやく視界を取り戻しました。
「目が見えるようになるまでは、ご飯の場所がわからず、体中にご飯を付けながら食べていた姿が今でも忘れられません」と語る飼い主さんの言葉から、がんもくんへの愛情が伝わってきます。
元気に成長を続けたがんもくんは、飼い主さんにとってかけがえのない存在となっていきました。
飼い主さんに勇気を与えたがんもくん
今年、がんもくんは大病に見舞われ、命の危機に瀕する経験をしました。飼い主さんによれば、がんもくんは3度の手術を受けることになり、入院生活を余儀なくされたといいます。
「がんもは、病院も大好きなんです。入院中も、ご飯を一口食べては動物病院のスタッフさんにスリスリして甘え、撫でてもらってからもう一口食べることを繰り返していたそうです」と教えてくれました。
一方、飼い主さんにとっても、がんもくんの病気との闘いは決して楽なものではありませんでした。
「治療を続けることは、私自身のエゴなのではないか」と、葛藤を抱えることもあったそうです。しかし、がんもくんが持つ生きる力と旺盛な食欲に触れ、「そのような気持ちは払拭された」と語ります。
がんもくんが見せるひたむきな姿勢が、飼い主さんにとっても大きな励みとなっていたのでしょう。
がんもくんたちとの生活が仕事の励みに
現在、がんもくんは4歳になりました。とても甘えん坊で愛らしい男の子です。
体調が優れないときには、飼い主さんの手のひらからご飯を食べるほどの信頼関係が築かれています。
「動物病院で入院しているときも、スタッフさんの手のひらからご飯を食べていたようです」と飼い主さんは語り、がんもくんが人を信じて甘える姿を微笑ましく感じています。また、獣医師のことも大好きですが、家に遊びに来る他の人には少し警戒する一面もあるそうです。
飼い主さんの家で他の猫たちとともににぎやかな日々を過ごすがんもくん。「猫たちの存在が、仕事の活力になっていると思います」と、がんもくんたちとの暮らしが飼い主さんにとって癒やしと活力になっているといいます。
「がんもと出会ったことで、たくさんの幸せをもらいました」と語る飼い主さん。これからも、がんもくんが穏やかで幸せな日々を過ごせるように「最善の環境を整えていきたい」と語っています。
がんもくんが家族に迎えられてからの日々は、飼い主さんにとっても貴重な学びと喜びの連続でした。辛い時期を乗り越えた二人の絆は、これからも変わることなく続いていくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)