賃金の伸びが物価上昇に追いつかない状況のなか、世界各国は節約に対してどのような意識を持っているのでしょうか。食の福利厚生サービス『Ticket Restaurant』を提供する株式会社エデンレッドジャパン(東京都港区)が実施した「FOOD Barometer 2024」の調査結果によると、世界22カ国で最も食料品の節約意識が高い国は「日本」でした。また、今後値上がりすると思う費目については、日本人の4人に3人が「食料品」と回答したことがわかりました。
調査は、世界22か国のチケットレストラン導入企業の従業員4万9990人およびレストラン経営者1491人を対象として、2024年9月にインターネットで実施されました。
対象国は日本、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、ベルギー、ポルトガル、スウェーデン、オーストリア、チェコ、ルーマニア、スロバキア、フィンランド、ブルガリア、ポーランド、トルコ、ギリシャ、ブラジル、チリ、コロンビア、ペルー、ウルグアイの22カ国。
まず、「節約を意識している」と回答した割合を費目別に調べたところ、「食料品」では「日本」が81%で1位となり、世界平均(43%)の約2倍となることがわかりました。
一方、他国は2023年から引き続き「衣料品」(84%)、「旅行・レジャー」(83%)など、おしゃれや娯楽に対する節約意識が高く、「食料品」(43%)や「光熱費」(50%)はさほど高くない傾向がみられました。
ちなみに、「食料品」の節約意識が高い順にみると、1位「日本」(81%)、2位「スロバキア」(60%)、3位「ギリシャ」(56%)、4位「チェコ」(55%)、5位「ベルギー」(53%)がTOP5となっています。
続けて、「今後値上がりすると思う費目」について聞いたところ、日本で1番多かったのは「食料品」(75%)で、世界平均の54%と比較しても高い数値となりました。
さらに日本は、食料品だけでなく、「光熱費」(日本60%、世界48%)、「交通」(同55%、同44%)、「衣料品」(同36%、同23%)、「旅行・レジャー」(同55%、同38%)といったほとんどの費目で世界平均を超えており、節約志向が高い国であることが明らかとなりました。
次に、日本人が「ランチを選ぶ際に重視している」と回答した割合を項目別にみると、「立地」(日本44%、世界38%)と「食事の価格」(同44%、同41%)の割合が高くなった一方で、「料理の質」(同25%、同39%)や「健康的なメニューの提供」(同17%、同29%)は、世界の国と比較しても顕著に低い結果となりました。
最後に、「フードロス」について「関心がある」と回答した割合をみると、「ブラジル」(91%)、「スペイン」(83%)、「イタリア」「フランス」(いずれも82%)など8割以上にのぼる国が多くなったのに対して、「日本」は41%にとどまり、世界平均の72%と比較しても低くなっていることから、日本ではフードロスに関心を持つ人はまだまだ少なく、節約志向の高まりがフードロスへの関心を持つ余裕の無さに拍車をかけている可能性がうかがえる結果となりました。
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【出典】
▽エデンレッドジャパン調べ