広島県福山市にある東和交通株式会社(@myanao6213)は、地域のタクシー会社としてだけでなく、猫の預かりボランティア活動にも積極的に取り組んでいます。社長の猫好きな情熱が、この活動の始まりとなった背景には、感動的なストーリーがあります。
猫の預かりを始めた理由
社長が猫を飼いたいと考えたとき、賃貸住宅に住んでいたため実現できませんでした。その際、猫の保護団体「ひげとしっぽ」とのご縁があり、2匹の猫「みゃー」と「なお」を譲渡してもらうことになりました。この経験が、猫たちのためにもっと何かできないかという思いを呼び起こしたのです。
譲渡会を開催する場所がないという話を耳にした社長は、普段使わない部屋を提供することを提案しました。これが猫の譲渡会を行うきっかけとなり、個人の保護主さんや団体さんから依頼を受け預かりをするようになりました。
「個人で預かりをしている方々もいるものの、どの預かりボランティアも手一杯の状況です。そのため、東和交通はどうしても預かれない猫を引き受けて譲渡会に参加させることを決めました」
特別な仲間たち
「みゃー隊長」と「なお隊員」は「にゃるそっく隊員」の先駆け。みゃー隊長は、もともとは野良猫の親分で、地域の子達を引き連れて保護主さんの所にご飯を食べにきていたそうです。ケンカで顔のキズが酷かった為保護されました。エイズ陽性の成猫で、譲渡先が見つかりにくい子でした。
なお隊員は多頭飼育崩壊現場から引き出され、動物愛護センターに送られ処分されかかった所を保護団体の方にレスキューされました。ただ、凶暴だったため、譲渡が難しい状況にありました。みゃー隊長となお隊員は、シェルターで仲良く暮らしていて、いつも一緒にいたため2匹を一緒に引き取ることにしたそうです。このように、東和交通では、特別な事情を抱えた猫たちにも愛情を注いでいます。
また、「にゃるそっく隊」は、会社の看板猫たちであり、窓際で外を見ている姿からその名前が付けられました。この可愛い仲間たちは、タクシー会社の癒しの存在となっています。
新たな仲間と譲渡会の開催
最近、ひげとしっぽから「子猫がいるが預かれますか?」との依頼があり、新たに猫を保護しました。この子猫は外で生活しており、他の預かりボランティアの家にご飯を食べに来ていた子です。寒さが厳しくなる前に保護された直虎ちゃんは、今後の生活がどうなるかわからない状況でしたが、東和交通がその行き場を提供しています。
毎月1回(日曜日)開催される譲渡会では、猫たちが新しい家族を見つける手助けをしています。
「譲渡会に参加することで、無料で猫をもらえると思っている方も多いですが、実際には保護された猫たちは、手術やワクチン接種、マイクロチップ装着などの準備が整えられています。無責任な飼育を防ぐため、避妊や去勢手術の費用もいただくことにしています」
未来への展望
東和交通株式会社は、ひげとしっぽとの連携を深め、1匹でも多くの猫が新しい家族に引き取られることを目指しています。猫たちの幸せを願い、これからも地域に根ざした活動を続けていくことでしょう。社長の愛情に満ちた取り組みは、福山市の猫たちにとって、より良い未来への希望となっています。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)