頂き女子りりちゃんが詐欺などの罪で実刑判決を受けたことが話題になるなど、パパ活女子に関するニュースがたびたび世間を賑わせています。りりちゃんこと渡辺容疑者を見ていると、特に肩書きがない一般的な女の子でも「パパ活をすれば女性は稼げる」と錯覚しがちですが、実際のところは全然違います。彼女ほど大金を手にするケースは極めて稀なことだととらえて構いません。
令和のパパ活女子たちの多くは、専用のアプリやSNSを使ってスポンサーを探します。夜のお店で働くキャストや芸能関係で働いている人だと自分のお客さんをパパにしたり、あるいは“その手の紹介をしてくれる人”にお願いできたりするのですが、そうでない子たちはイチから探さなければなりませんから、現代的なツールを仕方なく使うといったところ。
お茶を飲んで会話をするだけで5000円。それ以上の付き合いは1万円~2万円が相場といわれています。少し前だともう少し金額が高かったらしいのですが、現在はパパ活女子の数が増えすぎて相場がガタ落ちしてしまったのです。
これでは日給10万どころか5万円も難しいので、いっぱいお金がほしいパパ活女子は「単価の低いパパを多くこなす」か、1人のパパを太客に育てて一度にもらえる金額をアップさせます(後者はりりちゃんがやっていた方法ですね)。
私の知人も昔はパパ活をしていて、援助をしてくれる男性と1日に複数人会ってお金をかき集めていました。普段はOL、土日は集金に充て(笑)、数々の男性に会うとたまにアタリといえるお金持ちに巡り合う機会があるとのこと。そういった“質の良いパパ”を固めて、関係を継続させると収入を安定させやすいようです。
この手の女性たちを支持したい男性のタイプは、本当にさまざま。お金を持て余した既婚者から本気の出会いを求める独身まで幅広く、必ずしも夜遊びに慣れているとは限りません。中には飲み屋にさえ行ったことがない人もいます。
最初は遊びのつもりでも、顔を合わせる度に好意が増していくと感覚が麻痺するのでしょう。りりちゃんのような頭がキレるパパ活女子は彼らがハマっていくタイミングを見計らって“仕掛け”、結果的に夢見心地のパパは差し出す金額を自分で大きくしていってしまうのです。
りりちゃんのニュースを見た人は「そんな、数千万単位をあっさり出すなんて」と思うでしょうが、恋は盲目。パパになったがゆえに正気を失う男性が多いからこそ、パパ活ビジネスがうまく成り立ったといっても過言ではありません。
このようにパパ活はすっかりメジャーな活動(?)となったものの、参入のハードルが下がり過ぎていることに恐ろしさを覚えます。アプリでのパパ活は顔が分かる写真を掲載するのでデジタルタトゥーや身バレの原因へ繋がりますし、お互いの素性は一切分かりません。
仮に住まいや職業を教えてもらったとしても、大概はウソ。買い手も売り手も不透明な部分が多い状態で会い、関係を持ってお金のやりとりをするのですから、危険が山ほど潜んでいるのは確かです。報道されていないだけで誘拐や監禁、美人局などのトラブルも起きていますから……。
誰かに援助をしてもらわないとお金が間に合わないほど困窮した若者が増えているのも、悩ましいですね。メディアは「頂き女子」とか「パパ活」とかキャッチーなフレーズを使いますが、パパ活は言い換えれば「援助交際」。現代人が深刻に受け止めるべき社会問題の一つとして、もっと重く扱われるべきだと私は考えます。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。