2024年9月のある日、Mintonさんが仕事帰りに立ち寄ったコンビニの植え込みで、小さな子猫がうろうろと歩いているのを見かけました。生後5、6カ月ほどのその子は、見た目こそ清潔そうでしたが、お腹をすかせた様子でした。
近所の外飼い猫かもしれないと考えながらも、Mintonさんはコンビニでおやつを購入し、差し出してみました。結果は、ちゅ〜る4本をあっという間に完食。それでもまだ物足りない様子でした。
翌日、同じ場所で待つ子猫に再びちゅ〜るを与え、3日目には実家にあった猫用ご飯を持参。1食分をペロリと平らげてしまいました。連日ごはんを完食するその食欲を見て、Mintonさんは「この子は外飼いの猫ではなく野良猫で、食べるものがないのでは」と気付きます。4日目にはコンビニの店員にも話を聞き、実は半年前から夕方になるとこの場所に現れることを知りました。
子猫のいた場所は喫煙所の近くで、吸い殻が散らばる環境でした。Mintonさんは、ゴミや吸い殻もきれいに片付けることを約束し、毎日食事を持参しながら少しずつ心の距離を縮めていきました。
やがて子猫は、Mintonさんが近くでごはんをあげることを許すようになりましたが、触れられるほど距離が縮まっても抱っこして保護するには至らず、人間に対する強い警戒心が伺えました。
そこでMintonさんは、地元の愛護センターから捕獲器を借り、翌日無事に子猫を保護することができました。
しかし、家に連れて帰ってケージに入れる際に逃げ出してしまい、捕まえるまでに10回も噛まれてしまったという強烈な洗礼を受けました。
革手袋も貫通する鋭い牙を持つ子猫でしたが、なんとかケージに収容し、その後は動物病院で健康状態の確認と、交番で飼い猫の届け出がないかを確認しました。届け出がないことを確認したMintonさんは、この時から「あずきちゃん」として、この子を迎える決意を固めました。
「あずき色は魔除けの色とも言われ、悪いものを払い、たくさんの幸せを感じながら生きてほしい」と願いを込めて、名前を「あずきちゃん」に決定。
まだ警戒心を見せるあずきちゃんですが、Mintonさんは、どこか甘えん坊な一面も垣間見られると感じているそうです。あずきちゃんにとっての新しい家と家族の中で、少しずつ心を開き、Minton家に幸運と温かな絆をもたらしてくれる日が待ち遠しい限りです。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)