戦国武将さながらの「甲冑ランドセル」がインターネット上で大きな注目を集めています。価格は何と50万円(税込み)。見た目のインパクトが強く、受注が始まるとSNSを中心に拡散。「武将ランドセル!」「めっちゃいいじゃん」「めちゃくちゃかっこいい」「すごく素敵」「すごい技術」などの声が相次いでいます。
1957年創業の名古屋にあるランドセルメーカー「村瀬鞄行(かばんこう)」が手掛けた「赤色小札黄銅鋲背嚢具足(あかいろこざねおうどうびょうはいのうぐぞく)」。
同社担当者によると、ランドセルの量産時に出る端切れを活用し、「色と形だけで甲冑のように見せたランドセルです」。左右のマチ部分には、にらみをきかせた顔をデザインし、「より甲冑らしく見えるようにしました」。鞄としての機能はあるものの、あくまでも観賞用推奨の「作品」という位置付け。一般的なランドセルよりは重く、小学生の通学に適した性能は持ち合わせていないといいます。
長い商品名は甲冑のパーツ名や鞄用語を並べたもので、「赤色の小札と黄銅の鋲を使った背嚢という道具」という意味。「小札は革製の小さな短冊状の板。日本式甲冑の主要なパーツで、これがたくさん集まって鎧となります。黄銅は真鍮(しんちゅう)。鋲は金属の留め具。具足は鎌倉時代や戦国時代の甲冑『当世具足』を指します。広い意味では、甲冑以外の馬具や仏具でも使われる言葉です。当作品の名前も、単に『当世具足をモチーフとしている』ことだけでなく、『背嚢(はいのう)という道具』という意味も持たせており、ダブルミーニングになっています」(同社)
国内最大の革製品コンテスト「Japan Leather Award 2024」(日本皮革産業連合会主催)でアーティスティックデザイン賞を受賞。2022年に同コンテストバッグ部門特選を受賞したランドセル「浮世鞄 富嶽」(税込み50万円)とともに、10月31日から受注生産を開始しました。11月1日午前現在、注文はまだ入っていないそうです。ランドセル職人による手作りのため、納期は約6カ月。支払い方法は銀行振込のみ。詳細は同社公式オンラインショップで。
(まいどなニュース・金井 かおる)