今週放送された連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)第6週「うち、ギャル、やめるけん」では、浜崎あゆみの「Boys & Girls」が鍵となり、結(橋本環奈)と姉の歩(仲里依紗)が和解。歩が結に言った「もう我慢なんかしなくていい」という言葉に背中を押されて、結が本当にやりたいことを口にできるようになった。
本日放送された第30回では、結と米田家、ハギャレンメンバーたちが見守る中、歩が自ら出演したカラオケビデオを前に「Boys & Girls」を歌った。この歌声が見事に“微妙”で、スナックひみこのママ・ひみこ(池畑慎之介)は「あららら……あんまり上手うなかね」と思わずポロリ。このシーンの撮影秘話について、制作統括の宇佐川隆史さんに聞いた。
“天神のアユ”を演じる仲里依紗はアユ(浜崎あゆみ)の大ファン
「まず、仲里依紗さんの名誉のためにこれは声を大にして言いたいのですが、仲さんは本当は歌がとても上手です。そこをあえて、歩というキャラクターを考えて、あの歌声にしてくださいました」
と語る宇佐川さん。さらに、
「仲さんはもともと浜崎あゆみさんの大ファンで、『Boys & Girls』はもう、何百回、何千回とカラオケで歌ってきたとおっしゃっていました。どれほど好きかというと、2016年に発売された浜崎さんのデビュー15周年記念アルバム『A BEST -15th Anniversary Edition-』に寄稿文を出されたぐらい、仲さんはコアなファンなんです。歩がカラオケを歌うシーンでは、下手……と言いますか、味のある“ヘタウマ”な感じを出すのが、逆にとても難しかったとおっしゃっていました」
と、「カラオケ熱唱」シーンに対する仲の思い入れのほどを明かした。
歩を全力で支える付き人、佑馬役・一ノ瀬ワタルの味ある演技にも注目
ところでこのシーンでは、今週火曜日放送の第27回から登場した歩の付き人・佐々木佑馬がマラカスを持って場を盛り上げていた。東京から歩を追いかけてきた佑馬を演じる一ノ瀬ワタルの魅力と起用理由について、宇佐川さんはこう語る。
「佑馬は、屈託のなさがとても重要なキャラクターです。一ノ瀬さんは、映画『宮本から君へ』で演じた真淵という憎まれ役や、ブレイクのきっかけとなった主演作『サンクチュアリ ー聖域ー』(2023年/Netflix)での猿桜など、ならず者のアンチヒーロー的な役が多かったんですよね。でも、バラエティ番組などで“素顔”を拝見して、なんて素敵な、『ピュアの塊』みたいな方なんだろうと、そのギャップに一発で惚れてしまいまして。歩をひたすら慕って追いかけてくる佑馬という純粋なキャラクターにとてもマッチしていると思いますし、これまでとは一味違う役どころを演じていただきたかった。どちらかというと、本来の一ノ瀬さんを見てほしい!という気持ちでいます」
阪神・淡路大震災の記憶、そして家族と向き合い、第6週でようやく本音を語れるようになった歩と結。次週第7週「おむすび、恋をする」からは、ピュアな付き人・佑馬も巻き込んで、どんなストーリーが展開されるのだろうか。楽しみに見届けたい。
(まいどなニュース特約・佐野 華英)