息子がボディビルをやっていて生きた資料に事欠かないです―。ある漫画の中折りを読んだ高校生の感想が、SNS上で注目を集めている。「漫画家の息子がボディビルダーなんて珍しい。あ、これ俺か!」。実は、高校生の父親は、人気漫画「ワンパンマン」の作者・村田雄介さん(46)。息子は、全国高校生ボディビル選手権大会で準優勝した高校3年の圭介さん(18)だ。衝撃の事実にファンは言う。「惚れ惚れする筋肉の作画、納得だわ」
さながら主人公の「サイタマ」
丸坊主に、隆々しい筋肉。アニメ「ワンパンマン」の主題歌に合わせて、次々にポーズを取っていく。今年8月、東京で行われた全国高校生ボディビル選手権大会170cm以下級で、圭介さんは脚光を浴びた。その姿は、あらゆる敵を一撃で倒す主人公・サイタマ…?を彷彿させるとの声もある。「一つの恩返しの形かなと思って、楽曲を使いました」と話す。
トレーニングを始めたのは小学2年。ぽっちゃり体型だったことが原因でいじめに遭い、自分を変えたいと思った。父には「強い男になるんだぞ!」と言われ、漫画の「北斗の拳」を渡されたという。最初に取り組んだのは、漫画に登場する「ワンパンマンチャレンジ」。腕立て伏せ、腹筋、スクワットいずれも100回、10キロランニングという過酷メニューだ。「小学校の僕にはきつかったんで、走るのは5キロにして。体が変化するのが嬉しくて続けられました」
中学1年でジムに入会し、高校1年でゴールドジムに移籍。本格的にボディビルを始めることになった。3勤1休で、平日は学校終わりの午後4時~9時ごろまで励む。自慢の脚は、レッグプレスが1トン。伝説のボディビルダーのロニー・コールマンが行っていたとされる重量だ。
ポージング練習をジロジロ
自宅でポージングの練習をしている時、父がジロジロと見てくることがあるという。「ドラゴンボールの作者の鳥山明先生が太ももの筋肉を四角く描いていたそうなんですね。父は『こんな風になる訳ない』と思っていたらしくて。でも、僕の筋肉を見て『鳥山先生は正しかった』と気付いたそうです(笑)」
今回、Xに投稿した中折りは「ワンパンマン」の最新刊だ。「去年まであまり僕に言及してなかったんですけど、今年からSNSでも推してくれるようになって、面白いかなと思ってアップしました」と説明する。
高校卒業後はジムのトレーナーをしつつ、ボディビルの大会に出る予定。また、父の背中を見て始めたイラスト制作も引き続き行っていくという。「村田雄介の息子じゃなくて、村田圭介として認知してもらえるように頑張らなきゃ、と思っています」
(まいどなニュース・山脇 未菜美)