夫婦の預貯金額が大幅増加――そんな調査結果がスパークス・アセット・マネジメント株式会社(東京都港区)による「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査2024」でわかりました。同調査によると、夫婦の預貯金の残高の平均は、2023年の「753万円」から2024年では「968万円」と、「215万円」の増加となりました。また、夫婦の老後に備えるために確保できている金額は、ひと月平均「9万9272円」となり、2023年調査から「3万6765円」の大幅増加であることもわかりました。
調査は、全国の20歳以上の既婚(配偶者がいる)男女1000人を対象として、2024年10月にインターネットで実施されました。
はじめに、「貯金の管理」について聞いたところ、「妻が主導で行っている」は48.0%、「夫が主導で行っている」は23.3%、「夫婦別々に管理している」は28.7%となりました。
さらに、「預貯金の残高」については、「100万円未満」(20.6%)や「100万円~300万円未満」(17.6%)、「500万円~1000万円未満」(14.3%)、「1000万円~3000万円未満」(16.7%)などに回答が分かれ、平均は「968万円」でした。
2023年の調査結果と比較すると、夫婦の預貯金の残高の平均は23年の「753万円」から「215万円」の増加となり、特に60代以上では「524万円」増加(23年1521万円→24年2045万円)と、他の年代と比べて増加幅が大きくなりました。
続いて、「夫婦の老後に備えるためのお金」について聞いたところ、「毎月確保できている」と答えた人は78.4%となり、23年の73.1%から5.3ポイント上昇。特に40代では10.5ポイント上昇(23年70.0%→24年80.5%)と上昇幅が大きくなりました。
老後に備えるためのお金を「毎月確保できている」と答えた784人に、「ひと月に確保できている金額」を教えてもらったところ、「10万円以上」(41.1%)、「1万円~3万円未満」(23.9%)などが上位となり、平均は「9万9272円」でした。
23年調査との比較では、「10万円以上」は11.6ポイント上昇(23年29.5%→24年41.1%)、ひと月あたりに確保できている金額の平均は「3万6765円」の大幅増加(23年6万2507円→24年9万9272円)となり、60代以上では「5万8256円」(23年8万865円→24年13万9121円)と増加幅が大きくなっています。
次に、「お金関連で配偶者に不満を持っていますか」と尋ねたところ、「不満を持っている」は50.7%、「不満を持っていない」は49.3%でした。
「不満を持っている」と回答した割合を性年代別にみると、「20代」(男性53.0%、女性50.0%)と「30代」(同59.0%、同56.0%)では男性のほうが高くなった一方、「40代」(同46.0%、同57.0%)と「50代」(同47.0%、同51.0%)、「60代以上」(同37.0%、同51.0%)では女性のほうが高くなりました。
さらに、「不満を持っている」と回答した割合を家計状況と老後資金準備状況の自己評価別にみると、家計状況の自己評価が平均点(58.7点)より低い人では64.8%となり、老後資金の準備状況の自己評価が平均点(46.9点)より低い人では63.9%となりました。
また、お金関連で配偶者に不満を持っている507人の具体的な不満としては、「節約しない」(38.3%)と「無駄遣いが多い」(34.7%)が特に高くなったほか、「収入が少ない」(26.4%)、「無計画にお金を使う」(21.7%)、「貯蓄に協力しない」(16.8%)なども挙げられています。
男女別では、「収入が少ない」(男性16.1%、女性35.8%)は女性のほうが19.7ポイント高くなり、「おこづかいの金額を上げてくれない」(同19.0%、同4.5%)は男性のほうが14.5ポイント高くなりました。
最後に、「お金が原因の夫婦喧嘩」について聞いたところ、1年間に「0回」が63.0%、「1回以上」と回答した人は合わせて37.0%となり、平均は「2.0回」でした。
また、「お金のことが原因で離婚の危機をこれまでに何回くらい迎えましたか」という質問には、「0回」が76.2%、「1回以上」と回答した人は合わせて23.8%となり、平均は「1.0回」となりました。ちなみに、「お金が原因の夫婦喧嘩をしている夫婦(370組)」に絞ってみると、55.1%と半数を超える結果となりました。
◇ ◇
【出典】▽スパークス・アセット・マネジメント調べ