保護犬・保護猫活動に取り組むNPO法人の投稿が、Xで約1.4万回リポスト(再投稿)されるなど話題になっています。とあるゴールデンレトリバーの子犬が購入後わずか3日で、飼い主によって保護センターに連れてこられたというのです。センター長は「子犬はしつけが必要なもの。ペットを飼う人は事前にきちんと調べ、考えてほしい」と話しています。
「飼いやすいと聞いていたのに話が違う」
生後2カ月のゴールデンレトリバーが保護されたのは、NPO法人みなしご救援隊犬猫譲渡センター(本部・広島)の東京支部。10月下旬、とある若い男性に連れてこられました。男性は一人暮らしで、テレビ番組を見て犬との暮らしに憧れたそう。子犬をブリーダーから購入したばかりでしたが、3日で「ヤンチャで手に負えない」と思い、センターで引き取ってほしいと申し出ました。
男性は「ブリーダーからすごく飼いやすい、と言われたから飼ったもののいざ飼ったら違った」と話していたそう。ブリーダーに「話が違う」と電話したところ「それはまだ子犬だからで、しつけをして初めて良い子になる。それはどの犬でも一緒」と言われた、という話もしていたそうです。
「犬の性格は気質3割しつけ7割」だと、NPO理事長で譲渡センター長の佐々木博文さん(@sasaki_inuneko)は話します。「子犬のうちは噛みグセや吠えグセもあれば、トイレのしつけも出来ていません」とし「本当にその犬種を飼えるかどうかや、飼うにあたってのデメリットを飼う前に今一度考えてほしい」と呼びかけます。
幸いこのゴールデンレトリバーには里親が見つかりましたが、今回のように購入後すぐに飼い主が引き渡しに来るケースは年10回程度あり、決して珍しくはないといいます。
売る側も買う側もリテラシーを
国内のペットビジネス市場は上昇傾向にあり、生体販売と付随するサービスの市場規模はコロナ禍前の2019年度が約7700億円だったのに対し、2026年度の予測値は約8800億円となっています(矢野経済研究所調べ)。
佐々木さんは「ブリーダーやペットショップを非難するつもりはありませんが」と前置きした上で、「売る側もしっかり『生半可な勉強じゃだめですよ』と教えないといけないし、見極めて売らないといけないと思います」としています。誰でもペットを飼うことができる現状を疑問に感じているといい、飼い主に数時間の講習を義務付けるといった資格制度の導入が理想だと話します。
「なかなかそれは実現しないだろうな、とは思います。だからこそ飼う側にきちんと考えてほしいですし、今回の投稿で啓発できれば幸いです」としています。
(まいどなニュース・小森 有喜)