プロ野球選手が使用して折れてしまった木製バットを「ビール」にー。北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」内のレストランが、同球団の選手6人のバットを活用して製造したクラフトビールの販売を始める。
日本プロ野球選手会によると、日本のプロ球界では年間10万本以上の木製バットが使われている。近年ではSDGsの観点からリサイクル活動が進められ、これまでも折れたバットを箸や箸置きなどとして再利用する取り組みはあったが、ビール製造に活用する事例は初(レストランの運営会社調べ)だという。
クラフトビール醸造レストラン「そらとしば by よなよなエール」は今回、アリエル・マルティネス▷郡司裕也▷田宮裕涼▷松本剛▷水野達稀▷野村佑希ーの計6選手のバットを球団から譲り受け「木材熟成ビール」の生産に生かした。
バットの先端付近から中ほどにかけての木材を切り出し、チップ状に。水蒸気をチップに触れさせて芳香蒸留水をつくり、ビールに加えている。麦芽の香りやコクが感じられる「ブラウンエール」がベースになっており、バットの芳香蒸留水などが加わることで、味わいや香りに深みが出ているという。
バットから木材を切り出す作業は先月、抽選で選ばれた日本ハムファン20人が担った。ナタやノコギリを使い、グリップ部分やバット表面などを切り落とした。担当者は「ファンの方々と一緒に盛り上がりつつ、クラフトビールの面白さを知ってもらうきっかけにしたかった」とする。
同球場の飲食エリアはシーズンオフも開放されており、「そらとしば シーズナル10 ウッドエイジドビール」は11月30日から販売予定。レギュラーサイズ900円。担当ブルワー(ビール職人)の村田稀水さんは「ファイターズの2024年シーズンの活躍を振り返りつつ、このビールを楽しんでもらえたら嬉しい」としている。
なお加工後の木材や端材もキーホルダーにリメイクし、余すことなく活用している。キーホルダーは、同日から12月15日まで実施の「次は、誰のバット飲む?キャンペーン」の当選者20人にプレゼントされる。キャンペーンの詳細は運営会社「ヤッホーブルーイング」公式サイトで。
(まいどなニュース・小森 有喜)