東海道新幹線で岐阜羽島・米原間を走行中に車窓から見える宇宙船のような建造物をご存知だろうか?
今、SNS上ではあの印象的な建造物を実際に訪れたというレポートが大きな注目を集めている。
「東海道新幹線から見える気になるアイツをやっと間近に見ることができました。想像の3倍デカかったですw」とその模様を紹介したのは趣味で建築写真を撮影しているマッハ山下さん(@RuinVuitton)。
人家もまばらな地域にたたずむこの建造物の正体は、2002年に三洋電機が岐阜県安八町に建設した太陽光発電施設「ソーラーアーク」。その新幹線沿線という立地と特徴的な形状から、新幹線の乗客から「宇宙船」、「潜水艦」などと呼ばれ親しまれてきたこの地域のランドマークだ。
山下さんにお話を聞いた。
ーーソーラーアークを実際にたずねられた経緯は?
山下:単身赴任中の東京と、実家のある岡山を往復する際にいつも眺めていたという背景がまずあります。また近々解体されるという報道がなされていたので、解体される前に見に行きたいと思っていたからです。今回、名古屋方面に仕事で行く用事に合わせて訪問した次第です。
ーー間近でソーラーアークをご覧になった感想は?
山下:新幹線の車窓から見ても大きいのは容易に想像できるのですが、直近からみると想像以上の高さ、横の広がりからくる迫力が大きく、住宅との対比でも腰を抜かしました(笑)。
他に思ったより大きいなと思った建築に太陽の塔があるのですが、太陽の塔の表と裏の顔のように、太陽光発電の三洋電機の栄枯盛衰を感じて、これもある意味では太陽の塔だなぁと思いました。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
山下:リプライでソーラーアークの建築に携わった方や、オープニングセレモニーに参加した方、三洋電機で働いておられた方や遠足での訪問記など、この建築にまつわる思い出をたくさん読ませていただき本当にありがたいと感じました。思い入れのある方の多さが、拡散につながったのだと思います。私自身は縁もゆかりもないのですが、建築好きとしてはジーンとなりました。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「文明が滅んだあとに犬をつれて旅をしてる途中で朽ち果てたコレを眺めながら先へと進みたいですね!www」
「つわものどもが夢のあと・・・周りにコンビニとか床屋とかあったけどどうなっているのかな 県道沿いだからまだ大丈夫かもだけど」
「新卒で入社した後に出向したのが当時の羽島三洋で、まさに稼働してたソーラーアークの下をよく通ってました!一度中に入ったことがあって、当時は三洋の博物館みたいになってたような気がします 時の流れは残酷です…」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。すでに稼働停止して敷地が売却されており、いつ解体されてもおかしくないそうだ。ソーラーアークに思い入れのある方は早いうちの訪問をおすすめしたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)