今週放送された連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)第9週「支えるって何なん?」は、結(橋本環奈)と翔也(佐野勇斗)、聖人(北村有起哉)と渡辺(緒方直人)、そして歩(仲里依紗)と渡辺の関係性を描きながら「支える」とはどいうことなのかを問いかけてきた。
第41回で渡辺は、真紀(大島美優)の墓前で歩に花を突き返しながら「もうここには来んといてくれ」と言うが、歩はあきらめない。第45回で歩は、「私、お墓参りやめませんからね。だってうちと真紀ちゃんは親友ですから」と宣言する。この2つのシーンと、週タイトル「支えるって何なん?」に込めた思いを、制作統括の宇佐川隆史さんが語った。
「9、10週で『支える』ということのいろんな側面を描いていきます」
「『支える』と口で言うのは簡単ですが、とても難しいことだと思います。ともすれば上から目線だったり、傲慢にも聞こえたり。自分のためなのかもしれないし、むしろ自分のためだとも思いますし。簡単な話ではないけれども、それでも誰かを支えていきたい、向き合っていきたい。では、この思いは何なんだろうということを、『おむすび』という物語を通して描いていきたいと思っています。9週、そして続く10週でも、『支える』ということのいろんな側面を描いていきます」
歩は拒絶されても乗り越えて何かをしたいと思う人
第9週で渡辺に拒否されても真紀の墓参りをやめないと言った歩は、第10週でさらに渡辺に働きかけていくという。宇佐川さんは、
「それが正しいかどうかという議論はもちろんあるのですが、歩は、渡辺に拒絶されてもなお、そこを乗り越えて何かをしたいと思う人です。傷ついている人をそっと見守る人もいれば、歩のように積極的に働きかけていく人もいる。両方いていいと思うんです」
と思いを述べ、真紀の墓前で歩が渡辺に宣言するシーンでの、緒方直人と仲里依紗の演技についても振り返った。
緒方直人と仲里依紗、圧巻の芝居
「それはもう、本当に素晴らしかったです。リハーサルで設定を細かく打ち合わせるというようなことは一切なく、本番でおふたりがお互いの息遣いを感じ取って、自然と共鳴しているのが伝わってきました。“芝居”を合わせるというよりも、“空気”を合わせているような。1分1秒ごとに空気がなじんで、積み重なっていくというか。本当に緒方さんと仲さんにしかできない表現だと思いました」
次週、第10週「人それぞれでよか」で歩は渡辺を奮い立たせようと、ある行動に出る。果たして渡辺はそれをどう受け取るのか。来週の展開からも目が離せない。
(まいどなニュース特約・佐野 華英)