京都のとある地域。ある商店の店先には段差を作らないために、鉄板が斜めに設置されていますが、この鉄板と地面の隙間から「ミャー、ミャー」とか細い鳴き声が聞こえてきました。
声に気づいた人が隙間をのぞくと、そこには生後間もない子猫。鉄板は硬く設置されているため、そのまま子猫を挟んでしまうことはないものの、目の前はクルマの往来が激しく、観光客も多い道路。なんらかのきっかけで外に飛び出すことがあれば事故に遭う可能性があります。
発見者の素早い行動と配慮
「これはまずい」と慌てた発見者は、すぐに猫のあらゆる困りごとをサポートする会社「ねこから目線。」にレスキューを依頼。同社スタッフは「子猫が隙間から飛び出さないよう、出口を塞いでおいてください」と言い、すぐに現場に向かうことに。
発見者はレスキューがやってくるまでの間に、商店の店主や近隣の人に事情を説明しました。皆さん「それは大変。なんとか子猫を無事に救い出せるように」とレスキューに協力する姿勢を見せてくれました。
スマホで流す「母猫が子猫を呼ぶときの鳴き声」
程なくして「ねこから目線。」のスタッフが店先にレスキューに来てくれました。
発見者が近隣の人たちに事情の説明と協力要請をしていたおかげで、捕獲作業はスムーズに進みました。
まずスタッフが「母猫が子猫を呼ぶときの声」をスマートフォンで流しながら捕獲機のほうへと子猫を誘導。安全な位置に子猫が入ったところで、扉を閉めて捕獲が完了しました。この間、約1時間ほど。素早くかつ無事にレスキューすることができて本当に良かったです。
外猫さんの目線での環境作り
レスキューされた子猫は、その後、発見者の手配などを経て地元・京都の保護ボランティアさんの元へとバトンタッチされ、健康が確認されたところで飼い猫として素敵な里親さんに譲渡されました。
外で生まれた子猫は意外な隙間を見つけてはスルスルと入り込んで、結果的に身動きが取れなくなったり、危険な行動を取ったりすることがあります。
こうならないために、事前の対策や環境の改善をしていくことも、ときには必要かもしれません。外猫さんの目線で環境を見て配慮することも、人間だけができる優しさのように思いました。
(まいどなニュース特約・松田 義人)