「あまり知られていないのですが、本は床に置くとすぐ繁殖するから気をつけた方がいい」
こんな警告とともに「X」に投稿された写真に大きな反響がありました。そこには歩行が危ぶまれるほど床上に「繁殖してしまった」本が写っています…。
「本棚に収まり切らなくなった本を床に平積みし始めたら終わりの始まり
話題にしたいとき取り出したいからつい手元に置く本が増えてしまいますよね」
「これが崩れると余計にな
そういや読子・リードマンってキャラいたけど、これが積み重なってビルとひとつ埋め尽くし街をひとつ巻き込んだ設定になっていたか
本を積むのはダメだ
うちもそうだけどさw
正直本棚を置く場所がない(壁がない)
やっぱ電子書籍最高!」
「繁殖w うまいな うちは『床を食う』と言ってた」
投稿について、ハードな共感の声が多数寄せられました。
写真を投稿した「でんか」(@K_theHermit)さんは東京海洋大学卒業後、海洋生物の研究を行っています。これまで風変わりで美しい海の生物を撮影した写真や動画がSNSでたびたび注目を集めてきました。
話題になった投稿に続けてでんかさんは「本あるある 無 性 生 殖」というひと言とともになぜか「同じ本」が「2冊」、「2セット」並んでいる写真も投稿しています。こちらも本好きとしてはまさに「あるある」な光景ですね。
リプライ欄への「それでか〜 片付けられない女です」というコメントを
「✕片付けられない 〇本を育てるのがうまい」と訂正するでんかさんに、本が「繁殖」してしまった経緯をお聞きしました。
「無性生殖」した本はどうなった?
――「繁殖」していますね…。
ここのところ、生物関連の文章を書く機会が重なり、机のまわりに参考文献である図鑑や論文などを片付ける暇もなく積み上げていました。そのような状態で執筆を続けていますと、本の仮置き場としていたカラーボックスが壊れてしまいました。しかたなく、それらの本を本棚の前に積み重ね、さらに新たに購入した本を積もうとしたときに、この「生物関連の本が次々に積み重なっていくさま」がまるで「生き物が繁殖している状態」のように目に映り、それを伝えたいという思いから、今回の投稿をしました。
――「無性生殖」した本はどうしましたか?
「無性生殖」していた『危険生物ファーストエイドハンドブック』の方は、新品が出回っていない希少な本であったことから、せっかくなのでフォロワーさんへのプレゼント企画にしました。無事に里親が決まって何よりです。
――それは良いことをなさいましたね。投稿が拡散したことへの感想はいかがですか。
やはり世間には同類が数多く存在し、上には上がいるのだなと実感いたしました。コメントを見ておりますと、「枕元」を本は繁殖場所に選ぶことが多いようですね。そんななかで、何度か電子版を勧められましたのが印象に残っています。ですが、「Kindle」や「DMMブックス」や「ジャンプ+」などの各種電子書籍が私のデバイス中でそれぞれ独自の生態系を築き上げており、既に収集がつかなくなっています。
「もう手遅れ、迷ったらお迎えしましょう」
2.3万件もの「いいね」がついた今回の投稿を見て、画面の前で強く、深く頷いているであろう積読民に向けメッセージをお願いすると、以下のように答えてくれました。「経験上、本が床で繁殖している時点でもう手遅れです。ブリーダーの方にあえて言うことではないですが、本はすぐ絶版になると思ってるので、迷ったらお迎えしましょう。私もそうします」(でんかさん)。
(まいどなニュース特約・山本 明)