転職を考える際に、重要な要素となるのがタイミングです。タイミングを誤ると年収減少やキャリアの停滞など、思わぬ落とし穴に陥る可能性があります。転職を成功させるためには、ベストなタイミングを見極めることが大切です。
しかし、転職のベストタイミングは人によって異なるため、判断に迷う人もいるのではないでしょうか。本記事では、転職にベストなタイミングやおすすめの時期を紹介します。
また、転職を避けたほうがいい時期や、タイミングを見極めるポイントも解説するので、自分にとってのベストタイミングを見つけましょう。
転職にベストなタイミングはいつ?
転職にベストなタイミングは、人それぞれ異なります。ベストタイミングは、年代やキャリア、ライフイベントなどさまざまな要素が影響するからです。
転職のタイミングが早過ぎると、スキルや経験が不十分で失敗するケースがあります。一方で転職のタイミングが遅すぎると、収入が減ったりキャリアに行き詰まったりすることがあります。
転職を成功させるには、自分にとってのベストなタイミングを見極めることが大切です。
転職におすすめの時期
転職のベストなタイミングは人それぞれです。ここからは転職におすすめの時期を紹介します。
<賞与や退職金が支給される時期>
転職する時期として、今働いている職場で賞与や退職金が支給されるタイミングを選ぶ人もいます。
賞与や退職金は、通常の給与とは別にまとまったお金を得られる貴重な機会です。これらのお金があれば経済的な余裕ができるため、退職後も安心して転職活動に集中できます。また、転職後に転居が必要な場合、引越し費用や新生活を始めるための準備費用として利用できます。
ただし、賞与や退職金の支給時期は企業によって異なります。入社して間もないと、規程によって支給されない場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
<求人が増える時期>
転職におすすめの時期の一つは、企業の採用活動が活発になり、求人が増える時期です。
人材市場では、求人が増える時期と減る時期があります。求人が増える時期を狙ったほうが選択肢が多いため、転職を成功できる可能性が高まります。
求人が増える時期は、2~3月や8月~9月です。特に2~3月は年度末で退職する人も多く、新年度の入社に向けて人材の獲得に乗り出す企業も多い時期です。多くの企業ではこの時期に新卒採用に加え、中途採用も実施します。
8~9月は下半期に向けて採用を強化する企業が多いものの、同時に転職活動を始める人も増えてくる時期です。求人の数に比例して求職者も増えるため、競争が激化しやすい点には注意が必要です。
転職を避けたほうがいい時期
転職を考える際には、適切なタイミングだけでなく、避けたほうがいい時期を知っておくことも大切です。
今働いている職場を円満に退職し、転職先に悪い印象を与えないためにも、転職する時期を考慮する必要があります。
<入社直後>
短期間での退職は、今の職場と転職先の両方に悪い印象を与えがちです。特に転職先からは「長く続かない」「またすぐに退職するのではないか」という印象を持たれやすく、転職活動に不利に働く可能性があります。
入社直後に転職すると、履歴書に短期間での転職歴が残ります。短期間での転職が続くと、面接のたびにその理由を繰り返し説明しなければならないでしょう。
ただし、第二新卒の採用枠や未経験者歓迎案件であれば、短期の退職でも転職しやすいことがあります。このような条件の求人は経験やスキルではなく、ポテンシャルを重視するためです。
また、パワハラやセクハラなど、職場環境が著しく悪化している場合は、入社直後であっても早期の転職を検討したほうがよいでしょう。
<繁忙期>
転職を避けたほうがいい時期の一つは、企業の繁忙期です。
繁忙期は、企業にとって業務が集中する時期です。採用担当者は通常業務に加え、繁忙期特有の業務に対応しなければなりません。その結果、採用活動に対応できる時間が限られてしまうことがあります。
また、繁忙期は面接の日程調整が難しく、内定までに時間がかかる可能性もあります。特に応募者が多い場合は選考に時間がかかり、結果が出るのも遅れるでしょう。
さらに、現在の職場の繁忙期に退職すると、引き継ぎや書類準備で周囲に迷惑をかけることもあります。業務が忙しい時期に転職を進めるのは難しいため、繁忙期は避けるようにしましょう。
<プロジェクトが完遂する前>
転職を考えている方のなかには、何らかのプロジェクトに携わっている方もいるでしょう。このような場合、転職はプロジェクトが完了してから行うのが理想です。
転職時期とプロジェクトの完遂時期は、同じタイミングで訪れるとは限りません。もし転職が先に決まると、プロジェクトを途中で放棄することになり、チームからの信頼を失う可能性があります。
また、プロジェクトのメンバーが変わると、これまでの進捗やノウハウがうまく引き継がれず、プロジェクトの成功率が下がることもあります。そのため、プロジェクトに関わっている場合は、まずそのプロジェクトを完遂してから転職活動を始めるようにしましょう。
転職のタイミングを見極めるポイント
転職を考えるときは、そのタイミングを見極めることが重要です。勢いで転職すると、期待していた結果が得られないこともあります。
ここからは転職のタイミングを見極めるポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
<今の仕事や職場に強い不満があるとき>
職場環境は転職を考える際の重要な要素です。もし仕事や職場に強い不満がある場合、転職によって新しい環境に移ることで不満が解消される可能性があります。
ただし、転職したからといって必ずしも問題が解決するわけではありません。
まずは、現在の職場で問題を改善できないかを考えることも重要です。上司に相談すると、職場環境が改善されるケースもあります。それでも改善が見込めない場合は、転職を真剣に検討する時期かもしれません。
<キャリアチェンジしたいとき>
転職のタイミングを見極める際には、自分がキャリアチェンジを望んでいるのかを考えましょう。
20代はキャリアの初期段階にあるため、ほかの世代に比べてスキルや経験は少ないのが一般的です。応募者が多いなかでは、スキルや経験が豊富なほかの世代が有利になるケースもあるでしょう。
しかし、20代前半はポテンシャルを重視されることが多く、別の業界や職種にキャリアチェンジするのに適した時期です。
企業によっては、社内でキャリアチェンジができる場合もありますが、希望する部署や職種に移れるとは限りません。もし今の職場でキャリアチェンジが難しい場合は、転職を考えるタイミングかもしれません。
<新たな資格を取得したとき>
新たな資格を取得したときは、キャリアアップのチャンスです。資格を取得することで、自分のスキルや知識を客観的に証明できます。企業によっては、資格取得により手当が支給されたり、昇進のチャンスが増えることもあります。
しかし、企業によっては手当や昇進がない場合もあり、資格を取得してもキャリアアップが実現するとは限りません。
今の職場でキャリアアップが見込めない場合は、資格を取得したタイミングで転職を考えるのも一つの方法です。専門性の高い資格は需要があるため、転職によってキャリアアップのチャンスが広がるかもしれません。
転職のタイミング以外で注意すべき点
転職を成功させるためにはタイミングだけでなく、ほかにも注意すべき点がいくつかあります。
<転職は勢いで決めずしっかりと準備する>
今後のキャリアをより良くするには、転職活動を計画的に進めることが大切です。
転職はキャリア形成の重要な分岐点となります。安易な気持ちで転職に踏み切ると、失敗する可能性があるため、注意しなければなりません。
転職を検討する際は、まず転職理由を明確にしましょう。転職理由が曖昧だと、自分に合う転職先選びが難しくなります。一方で転職理由を明確にすると、どのような仕事をしたいのか、どのようなキャリアを築きたいのかが見えやすくなります。
また、応募先の面接では、転職理由を聞かれることがほとんどです。理想的なキャリアを築いていくためにも、転職理由を明確にし、しっかりと準備を進めましょう。
<退職の報告は直属の上司に行う>
転職活動をしながら働き続ける場合、転職先が決まった後に現在の職場を退職する必要があります。その際、同僚や後輩に迷惑をかけないように早めに報告することが考えられますが、退職報告の順番に注意が必要です。順番を間違えると、トラブルが発生する可能性があります。
退職する際は、まず直属の上司に報告しましょう。法律では退職の2週間前までに報告することが求められていますが、実際には多くの企業で1カ月前までが目安です。
退職の報告時期については就業規則に記載されていることが多いため、事前に確認しておきましょう。
<引き止められる可能性がある>
転職が決まっても、スムーズに退職できるとは限りません。特に最近は少子高齢化により労働人口が減少し、新たな人材を獲得するのが難しくなっています。
このような状況のなか、退職者が出ると定着率が低下するため、退職の意思を伝えても引き止められる可能性があります。
そのため、退職を報告する際は引き止められる可能性を想定し、上司が納得する退職理由を準備しておきましょう。
タイミングを見極めて転職を成功させよう
転職のベストなタイミングは、人それぞれです。そのため、転職する際は自分にとってベストなタイミングを見極めることが大切です。
また、転職には避けたほうがいい時期があるので、注意しなければなりません。転職のタイミングに悩んだときには、転職エージェントに相談するのも選択肢の一つです。
(まいどなニュース・20代の働き方研究所/Re就活)