SNS上の心無い言葉に嘆く写真家の投稿が大きな注目を集めている。
「同人誌、高いと言われてしまった…。一個人の同人誌が1,800円もするのは安くはないぜ?でも、下手すると一生出会えなかったしれない大量の郷愁空間と出会えるんだし、行って撮って編集して印刷して…で、一冊作るのに数百万円掛かってんすよ…。許してくれ…。」
こんな自身の体験を紹介したのは旅情・郷愁探訪家として「一人旅研究会」名義で撮影活動をする栗原悠人さん(@hitoritabiken)。
同人誌にはさまざまなジャンルがあるが、価格設定もさまざま。写真集であれば制作経費もかさむので1800円ならけっして高くはないと思うのだがいかに。
栗原さんにお話を聞いた。
ーー「高い」と言われた経緯は?
栗原:年末にX上で頒布する写真集の紹介をしたところ、「写真集1800円は高いだろ」といった内容のコメントがありました。
ーー1800円という価格についてご自身ではどう思われますか?
栗原:国内の秘境や鄙びた空間を訪れるのが好きで、かつ「日本にはこんなに素敵な場所があるんだよ!」と共有したい想いで、数年掛けて撮り溜めた素敵な空間を、数ヶ月かけてまとめました。フルカラーのオフセット印刷なので、印刷代がかなりかかります。販売部数の見極めを間違えると大変なことになるため、毎回印刷部数に悩まされています。多くの方に手に取っていただきたいので、自分としてはほどほどの価格に設定したつもりです。
ーー投稿の反響へのご感想を。
栗原:同人誌を印刷、頒布する際の悩みを理解してくださっている方が非常に多く、励ましてくださいました。皆様のお陰で「高い」と言われた際に悲しくなった気持ちが、何処かに吹っ飛んでいってくれました(笑)。さらに、投稿を見て「素敵な写真集ですね!」と当方の写真集をお求めいただく方も多くいらっしゃいました。心温かい数々のコメントに、「これからも頑張ろう」と勇気づけられました。
◇ ◇
「相手にしなくていいですよ。いちいちそんな事を言ってくる人間なんて。」
「高いってわざわざ伝えてくるような人は、別に安くても買わないので……」
「え?むしろ安いと思います 高いと言っている人は物事の価値について理解出来ていない人なので無視すればいいです 時間や現地に行く交通費も掛かります また宿泊費や様々な経費も掛かっているわけです 高いという人は有り難みが分からない人でしょうね」
SNSユーザー達から、数々の驚きの声や励ましの声が寄せられた今回の投稿。商品の価格にはそれぞれ制作者の思いや制作に要した労力、経費が反映されている。個人的に高いと思っても、深い考え無しに批判するのはいかがなものだろうか。
なお今回の話題を提供してくれた栗原さんは東京ビッグサイトで開催される「コミックーマーケット105」に出展予定。12月30日に東ホール「プ」40bで作品を頒布するということなので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)