いにしえのメンコの裏に書かれた謎のメッセージがSNS上で大きな注目を集めている。
「メンコの裏。薄気味の悪い知識を、丁寧な言葉を使って顎ひげで伝えるという異様なことをしている謎の老人。その虚ろな目が好きです。」と件のメンコを紹介したのは作家の黒史郎さん(@kuromentaiko)。
往年の人気テレビ番組『てなもんや三度笠』(1962年~1968年放送)のグッズとして販売されたというこのメンコ。
表面は出演者の藤田まことや白木みのるが描かれているのだが、裏面を見るとサンタクロースのような長い髭をはやした老人が
「ハエのからだには八十万から五億もばいきんがついております」
「オーストラリアには太さ二.五米、長さ五メートルのみみずがいます」
などと謎の豆知識をつぶやいているのだ。なんとも珍妙なこのメンコについて黒史郎さんにお話を聞いた。
--このメンコを入手した経緯は?
黒史郎:昭和の子どもたちが読んだり遊んだりしていた「不思議おもしろい空気」を放つものを集めています。いつも古書店やフリマアプリなどでまとめ買いをするのですが、これもその一部です。
メンコの魅力は表面の絵だけでなく、裏側にもあります。ジャンケンマーク、なぞなぞ、謎の数字の羅列など、メンコ遊びとは別のゲーム要素がそこにはあります。時には、こんな「謎のうんちく爺さん」と出会えることも。一枚のカードの中に、子どもたちが楽しめる要素をたくさん盛り込んでくれているのがうれしいです。
--投稿への反響へについて。
黒史郎:この面白さに共感してくれる人がたくさんいてうれしいです。何十年も前の一枚のメンコの裏側、そんなところにもロマンが隠されているのだということをお伝えできてうれしいです。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「将来これになりたいです!」
「このおじさんよく見ると一枚一枚顔が微妙に違いますね。一つの絵をもとに手作業で版画を量産しているのか」
「嘘も混じっているのでこの爺全面的には信用できないです。」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。久しぶりにメンコ遊びをしたくなった読者の方も多いのではないだろうか。
なお今回の話題を提供してくれた黒史郎さんは12月4日にポプラ社から小説『SCPハンター シャイガイを確保せよ!』を上梓。2007年に英語圏の大型匿名掲示板で生まれた創作の世界「SCP財団」を題材にした日本初の児童向け小説ということ。子供だけでなく大人も楽しめるなので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)