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キャリアの未来図、描いてる? 理想の「キャリアパス」を考えるための3つのステップ

まいどなニュース 2024年12月28日 20時30分

現代のビジネス環境においては、キャリアパスを明確にする重要性が高まっています。その背景には、ビジネス環境の変化や労働市場の競争激化、働き方・キャリアの多様化などが大きく関わっています。

将来のキャリアをどのように築いていくか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本記事では、キャリアパスを自分で考えるメリットや基本的な作成手順を解説します。

キャリアパスとは

キャリアパスは、直訳すると「キャリア(経歴・職歴)の道」です。一般的には企業が従業員に対して提示する昇進・昇給モデルを指し、個々の従業員が目指すゴールへの道筋と言えます。

近年はワーク・ライフ・バランスの重視や働き方の多様化に伴い、従来のような終身雇用型のキャリア形成が崩れつつあります。またデジタル技術の発展により、新しいスキルが必要とされています。

このような変化に対応するには、長期的なスキルアップやキャリア戦略を立て、自分の価値を高めていくことが大切です。自分自身が将来どのように成長したいのか、どのような働き方をしていきたいのかなど、具体的なキャリアパスを描く重要性が高まっていると言えるでしょう。

キャリアパスと類似用語との違い

キャリアパス以外にも「キャリア」を含む言葉は多々あります。

それぞれの意味や特徴を理解しつつ、キャリアパスが持つ役割を把握していきましょう。

<キャリアプラン>

キャリアプランとは、個人がこれからどのようなキャリアを築いていくかを大まかに計画することです。

現在の企業での昇進だけでなく、人生全体でどのようなキャリアを歩んでいくかを考えるものであり、転職や独立も含まれます。たとえば「20代後半までに専門スキルを磨いて、30代で独立する」という計画もキャリアプランの一例です。

<キャリアアップ>

キャリアアップとはスキルや知識、能力を身に付けて、自分の市場価値を現状よりも向上させることです。昇進だけではなく、スキルを磨いたり、人脈を広げたりすることも含まれます。

キャリアアップは、成長を目指すプロセスの一環であり、自分の目指す姿に近づくための手段とも言えます。

<キャリアデザイン>

キャリアデザインとは仕事だけでなく、プライベートも含めた人生全体の設計を考えることです。

ワーク・ライフ・バランスを実現するためには、仕事だけでなくプライベートにも重点を置くことが大切です。どのような働き方をしたいか、どのような人になりたいかといった人生全体を考えた計画を立てると、自分に合った働き方や生き方を見つけることができるでしょう。

<キャリアビジョン>

キャリアビジョンとは、仕事や人生、価値観をもとに描く理想の自分像です。具体的には、将来どのような自分になりたいか、どのような状態が理想かを描いたものです。

キャリアビジョンは、あくまで「なりたい自分」の姿であり、今の自分の状況や実現できるかどうかは気にしません。自分が目指す方向性を明確にすることで、達成に必要なステップが見えてきます。

キャリアビジョンを描くときは、何を大切にするかによって変わります。たとえば、ライフスタイルを重視する場合は、家族との時間を大切にしながら、安定した仕事を続けることがキャリアビジョンになります。

キャリアパスを自分で考えるメリット

キャリアパスは通常、企業が提示するものですが、個人で考える必要性も高まっています。自分でキャリアパスを考えることのメリットを見ていきましょう。

<必要なスキルを把握できる>

自分でキャリアパスを考えることで、将来の目標がはっきりし、達成するために何をすべきか、どのようなスキルが必要かがわかります。

たとえば、昇進を目指す場合、特定のスキルや経験を求められることがあるでしょう。キャリアパスを明確にすることで、必要なスキルや知識、経験を把握し、計画的に積み上げることが可能になります。

<仕事に対するモチベーションが向上する>

明確なキャリアパスを持つと日々の業務にも目的意識が生まれ、仕事に対するモチベーションの維持や向上につながります。

また、キャリアパスで設定した目標に向かってスキルを磨き続けると、達成感や自己成長を実感できるでしょう。

キャリアアップへの意欲も高まり、より充実したキャリアを築くための原動力となることが期待できます。

<市場価値を高められる>

従来は新卒で入社した企業に定年まで勤めることが一般的でしたが、近年は働き方の多様化により、転職や独立を選択する人も増えています。

この変化に伴いキャリアの選択肢が広がる一方で、転職市場ではほかの求職者との競争が激化しています。そのため、ビジネスパーソンとしての市場価値が低いと、希望する転職先への就職やキャリアアップが難しくなるのが現状です。

市場価値を高めるには、キャリアパスを計画的に立ててスキルや経験を積み重ねることが大切です。たとえば、特定の分野における専門知識を深めたり、リーダーシップやプロジェクトマネジメントのスキルを高めたりすることで、社内外でのキャリアチャンスが増え、有利な条件での転職や昇進が実現しやすくなります。

キャリアパスを自分で考える際の手順

キャリアパスを考えるには大きく3つのステップがあります。ここからは自分でキャリアパスを考える際の手順を紹介します。

STEP1:キャリアのゴールを設定する

まずはキャリアのゴールを設定しましょう。キャリアのゴールは、長期・中期・短期の順に設定するのがポイントです。複数の期間に分けて目標を設定することで、将来に向けたビジョンが明確になり、計画を柔軟に調整できるようになります。

長期目標では、キャリアの最終的な目標や理想像を描きましょう。中期目標は、キャリアの進み方を考えます。短期目標は、具体的かつ達成可能な目標を設定し、着実に前進できるようにしましょう。

STEP2:自己理解を深める

キャリアパスを考える際には、自分の強みや弱み、興味、価値観など「自分自身」を理解することが大切です。

自分の強みを把握することで、それを活かせる仕事を見つけやすくなり、モチベーションの向上や高いパフォーマンスの発揮につながります。また自分の弱みを認識すれば、改善点を見つけることができ、成長の機会にも寄与するでしょう。

自己理解を深める方法としては、過去の経験を振り返ることや、自分の強みや弱みをリストアップするのが効果的です。どのような仕事にやりがいを感じるのか、何を大切にしたいのかを明確にすることで、キャリアパスを考えやすくなります。

STEP3:達成までに必要なプロセスを考える

最後は、自分のキャリアパスを描くために、目標に向けてどのようなステップが必要かを考える段階です。達成までに必要なプロセスの具体例は、次のとおりです。

・新たなスキルを習得する
・特定のプロジェクトに参加する
・管理職に昇進する
・専門資格を取得する など

上記のように目標達成までに必要なプロセスを考えることで、これから何をすべきかが明確になり、具体的な行動計画を立てられます。目標達成のプロセスのなかでさまざまな経験を積むことで、総合的な能力を高められるでしょう。

個人がキャリアパスを考える際のポイント

より理想に近づくためのキャリアパスを考えるために、おさえておきたいポイントを紹介します。

<定期的に見直す>

キャリアパスは一度決めたら終わりではありません。状況に応じて柔軟に見直す必要があります。

ビジネス環境や社会は日々変化し、働き方も多様化しています。また、年齢や経験を重ねることで、仕事に対する価値観が変化するケースもあります。

最初に描いたキャリアパスが順調に進むとは限らず、固執することでかえって理想から遠ざかる可能性も考えられます。

キャリアの方向性が変わったり、新たな興味が湧いたりした場合は、その都度計画を見直し、柔軟かつ主体的にキャリアを設計していくことが大切です。

<一つの企業に固執するだけではない>

企業が提示するキャリアパスが、自分の価値観や理想とする働き方に合致するとは限りません。また、キャリアパスに特定のポジションに必要なスキルや経験が示されていても、ポストに空きがなければ昇進できないケースもあります。

まずは自社のキャリアパスを確認してみましょう。それでも自分の価値観や理想の働き方に合わない場合は、ほかの企業で理想のキャリアパスを探してみるのも一つの方法です。

キャリアパスを考えて理想のキャリアを目指そう

キャリアパスとは、自分のキャリアにおける進むべき道筋を明確にし、計画的な成長を図るためのプロセスです。早い段階からキャリアパスを考えておくと、必要なスキルを把握でき、仕事に対するモチベーションを向上させられます。

各プロセスを計画的に進めていくためには、段階的にステップを踏むことが必要です。まずは、長期・中期・短期の目標を設定しましょう。短期目標は、達成できそうな内容で設定することがポイントです。小さな目標を達成することで成功体験が積み重ねられ、理想とするキャリアに向けたモチベーションを維持しやすくなります。

また、キャリアパスを考える際は、一つの企業に固執する必要はありません。第三者のアドバイスを聞きたい場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。

(まいどなニュース・20代の働き方研究所/Re就活)

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