「保護猫譲渡会見るたびに、ココの譲渡会を思い出す。譲渡会サイトに載っていたときのココ。名前はチェルシーでした」
愛猫との出会いを懐かしく振り返ったのは、X(旧Twitter)ユーザーのココ@長毛のキジトラ
さん(@coconeko0320)。
写真には、あどけない表情を浮かべた小さな子猫の女の子「ココ」ちゃんが写っています。
飼い主さん夫婦は、もともと猫と暮らしたいという思いを抱いていましたが、共働きで家を空ける時間が長いなどの理由から、一度は、あきらめたといいます。
その後、2020年にコロナ禍で在宅勤務が増えたことから、再び、猫を迎えることを考え始めました。
「猫と暮らしている知人にアドバイスをもらい、夫婦で話し合ったのち、今のライフスタイルであればお迎えできるという結論に至りました。また、『お迎えするなら保護猫にしよう』と意見が一致し、譲渡会へ参加することにしたのです」
こうして、飼い主さん夫婦は譲渡会へ足を運びました。そこには、事前に譲渡会のサイトで目にしていた元気な子猫たちいて、多くの人の注目を集めていたといいます。
そんななか、飼い主さん夫婦は、ふと、ケージの隅で丸まっている1匹の子猫がいることに気づきました。それが、ココちゃんだったのです。
「長めの毛並みでキジ白柄のチャーミングな子でした。保護主さんに話を聞くと、お寺の軒下で保護された3匹のうちの1匹で、まだ人間に慣れてはいないけれど、とても元気でよく遊ぶ子だ教えてもらったのです」
飼い主さん夫婦がその子におやつをあげると、恐る恐る食べてくれました。その姿がとてもかわいらしく、「少しずつ距離を縮めがら関係を深めていくのもよいだろう」と思ったそう。
こうして、2020年7月12日、ココちゃんは、飼い主さん家族の一員となりました。
初めての猫との生活
お迎え当初、ココちゃんは新しい環境に戸惑っているためか、なかなかごはんを食べてくれなかったといいます。
「いろいろな種類のフードを試したところ、ようやく少しずつごはんを食べてくれるようになりました。猫と暮らすのは初めてだったため、ネットで情報を得ながら爪切りやブラッシングなどのケアをしていたのを覚えています」
ある日、ちょっとしたハプニングが起こりました。
ココちゃんがごはんを吐き戻してしまったのです。心配した飼い主さんは、ココちゃんを連れて夜間に病院へ。
「単なる吐き戻しであることがわかって、心底、ホッとしました」
飼い主さん夫婦に見守られながら、ココちゃんは少しずつおうちでの生活に慣れてくれました。しばらくすると、手からおやつを食べたり、膝に乗ってくれたりするようになったのです。
「日々、ココとの距離が縮まるのを感じられて、本当に嬉しかったです」
新しい家族の誕生、ココちゃんとの関係性は
ココちゃんは、現在4歳になりました。
譲渡会で出会ったとき、ケージの隅っこで怯えていたあのココちゃんは、もういません。
「帰宅すると鳴きながら出迎えてくれて、膝に乗りたいときは足元で『ニャー』とアピール。そのときに膝をポンポンしながら『上がっていいよ』と合図を送ると、うれしそうに上がってきます。一方で、家族以外の人はとても苦手。インターホンが鳴るとベッドの下に隠れてしまう臆病なところもあります」
昨年、飼い主さん家族にさらなる幸せが舞い込みました。
「私たち夫婦が子どもを授かったのです。妻が退院し、子どもと一緒に帰宅したとき、ココはちょっぴり警戒した様子でした。それでも少しずつ慣れて、子どもに近寄ってクンクンとニオイをかぐように。また、子どももココのことが大好きなようです。ぐずっているときも、ココの姿を目にしたとたん機嫌が良くなります」
4年の月日を経て、絆を深めて来た飼い主さん家族とココちゃん。今、ココちゃんに伝えたいこととは?
「ココちゃん、君は私たちにとって特別な存在です。これからも家族一緒に楽しく過ごしていこうね」
ココちゃんとの生活は試行錯誤の連続でしたが、その時間は飼い主さん一家にたくさんの喜びをもたらしました。今では、お子さんにとっても大切な存在に。
温かい絆でつながっているココちゃんと飼い主さん一家。これからも、幸せな時間を紡いでいくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)