「ずっとイマジナリーCATを飼っていましたが、ついにリアルCATが来てくれました。まどか、5歳です。奥能登の珠洲市から来ました。元の飼い主様が能登半島地震と豪雨による被害で飼育困難になられ、手放された猫ちゃんです。めちゃんこかわいいし、香箱座りしてくれます。ありがとう! 家に来てくれて!」
2024年11月15日、X(旧Twitter)ユーザーのおざわゆきさん(@yukiozawa)は新たな家族となる猫をお迎えしたことを報告。そこには、ケージの中をあちこち見回す保護猫の女の子「まどか」ちゃんの姿をとらえた写真が添えられています。
当時、おざわさんは猫と暮らすことができるマンションを探し、引っ越したところでした。そして自身の年齢を考え、「お迎えするなら保護猫を」「今しかない」と思ったそうです。
そして、10月に東京ビッグサイトで開催された「sippo EXPO」に参加しました。
「このイベントで、能登半島地震などの被災地から来た猫の保護活動を行っている『東京都人と動物のきずな福祉協会』の活動を知ったのです。譲渡会では、まどかを含む4匹の猫たちがいましたが、大勢の人が集まっていたため、みんな緊張していました」
その後、スタッフの方から1週間後にシェルターで開かれるオープンシェルターについて教えてもらい、仕事の合間をぬって訪問しました。
「オープンシェルターの会場では、猫たちがホームグラウンドということもあってみんなリラックスしていました。そのなかには、ビッグサイトで会ったまどかもいたのです。この日、まどかは積極的に甘えてくれました。その愛らしい姿に心を射抜かれて、『この子をお迎えしたい』と思ったのです」
保護主さんは、おざわさんの熱意を感じ、まどかちゃんを譲渡してくれることになりました。こうして11月15日、まどかちゃんと飼い主さんは、家族として新たな生活を始めたのです。
奥能登の珠洲市からやって来たまどかちゃん
元の飼い主さんは、能登半島地震で家が半壊し、9月の豪雨で全壊するという過酷な経験を経て、やむを得ず猫たちを手放す決断をしたといいます。
「まどかという名前は、元の飼い主さんが付けて5年間、呼び続けた名前です。そのため、私もその名前を引き継ぐことにしました」
おざわさんは、まどかちゃんを迎えるにあたり、ケージや脱走防止柵、トイレ、爪とぎなどを準備。猫を飼うのは初めてだったため、シェルターの方にアドバイスをたくさんもらったそうです。
「まどかが新しい生活を気に入ってくれるか、とても不安でした。でも実際には想像以上にフレンドリーな子で、家に着いてすぐにケージの中からニャアニャア鳴いてスリスリしてくれました」
さらに3日目の夜、飼い主さんは、まどかちゃんをケージの外に出してみることにしました。
「ずっと私のあとをついて回り、トイレに行くのも大変でした(笑)。こんなに懐いてくれる姿を見て、本当に嬉しい気持ちでいっぱいでした」
まどかちゃんと過ごすこれからの日々
まどかちゃんは、今年5歳になりました。まどかちゃんはとてもフレンドリーで甘えん坊。いつもおざわさんがいる場所から、1メートルほど離れたところでくつろいでいるそうです。
「これまで一度も噛んだり、引っ掻いたりしたことがありません。夜寝るときは布団に入ってきて、朝、私が起きると顔の横で寝ていることもあります」
念願叶って、元保護猫との暮らしを実現したおざわさん。これから、まどかちゃんとともに過ごす日々について、次のように語っています。
「まどかは被災し、大好きな飼い主様と別れるという悲しい経験をしました。これからは穏やかな気持ちで猫生を過ごしてほしいです。また、前の飼い主様にも安心していただけるように、まどかに尽くしていこうと思います。まどかと私、二人三脚で幸せな日々を紡いでいきたいです」
まどかちゃんとおざわさんの新しい生活が、これからも幸せに満ちたものでありますように。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)