珍しい真っ白なサラサラな毛並みが美しいシェルティのちとせくん。1歳に満たない好奇心旺盛なかわいいワンコですが、生まれながらにして目と耳に障がいを抱えていました。
両目は先天性の形成不全。左目は小眼球、右目は虹彩(こうさい)をうまく作れず、耳もほとんど聞こえていません。
これらの障がいもあり、生後間もなくして行き場を失っていましたが、ちとせくんの存在を知った静岡県の保護団体・スリールが保護。以降、預かりボランティアさんの家で過ごし、少しずつ成長していきました。
障がいをもろともせず、元気いっぱいでイタズラ&爆睡
前述の障がいを聞き、健常なワンコ以上に献身的にちとせくんに接するべきだと思いましたが、当のちとせくん自身はこんな心配をよそに、元気いっぱいでイタズラばかり。ちょっと目を離した隙にトイレットペーパーをボロボロにし、ソファの上に乗ったり元気いっぱいで過ごしていましています。
ときに、預かりボランティアさんの家にいる先住犬にキレられるほどですが、「僕、そこまで悪いことしてないワン!」とさほど動じず、すぐにケロッとしています。そして、散々遊びまくった後は爆睡。耳がほとんど聞こえていないことから、他のワンコが吠え出しても全く起きずスヤスヤ眠っています。こんなちとせくんの独特の行動を見ていると、ほっこりとした気持ちにさせられます。
初対面の人を前にしても尻尾ブンブン
そして、ちとせくんは人間大好き。動物病院で初対面の先生に尻尾をブンブン振りまくり体に飛び乗ろうとしたかと思いきや、今度はベロベロ攻撃。
譲渡会に参加すれば、来場者を前にこれまた陽気に振る舞い一躍人気者に。確かに目と耳にハンデはあるものの、それを乗り越えるくらいの明るさを持つちとせくんなのでした。
障がいを「個性」に昇華させた
ちとせくんは小眼球の影響で視力が低く、ときどき壁にぶつかったりすることがあります。また、目の中に入る光の量の調整が正常にできないことで、他のワンコ以上に光を眩しがることもあります。
耳がほとんど聞こえていないことから、家庭犬としてはちとせくん特有のお世話が必要ですが、そこは明るく優しい預かりボランティアさん。とにかく元気なちとせくんに寄り添い、日々お世話をし続けました。
そして、ついにちとせくんの元に里親希望者さんからの「うちにおいで」の声がかかり、幸せな犬生を送るようになりました。現在はこの優しい家族のもとで、明るく元気に成長を続けているそうです。
良かったね、ちとせくん。いつまでも元気いっぱい明るく過ごしてね!
(まいどなニュース特約・松田 義人)