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今、ブームの「アナログレコード」…“スマホで音楽”の世代にささる魅力とは? 昭和空間で「あいみょん」も

まいどなニュース 2025年1月16日 7時5分

 アナログレコードの人気が高まっている。昭和歌謡やシティーポップといった音楽が流行し、令和の人気アーティストは新曲をレコードで出している。サブスクリプション(定額利用)の登場で音楽を簡単に楽しめるようになった今、あえてレコードを選択する人がいる理由とは何か―。

 ターンテーブルで回るローリング・ストーンズの名盤『マイルストーンズ』、天井で回転するミラーボール。店内は「昭和」の空気でいっぱいだ。北村電機ストアー(出雲市渡橋町)は電機製品を扱うオーナーが2022年に開いたレコード店。新品、中古合わせて約1万枚を取り扱う。店内に入ると、1980年代の雰囲気を感じた。

 レコードに触れた経験はなく、両親や祖父母から聞く話から想像を膨らませて取材に臨んだ。驚いたのは円盤とジャケットの存在感。CDケースの一辺と比較すると、2倍以上の30㌢四方のジャケットはポスターとしての役割も果たしてくれそうだ。個人的に欲しいと思っていたYMOの『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』(4070円)は売り切れだった。真野大空店長(27)によると、初回バージョンや再販されたものは人気が高いという。

 円盤に針を落とすとノイズが数秒流れてから1曲目が始まる。音楽を携帯プレーヤーやスマートフォンで聴いてきた自分にとってはこの数秒の動作にもわくわくする。最近の曲と比較して長い前奏や時代を感じる歌詞、リラックスできるテンポなど全てに引き込まれる。

 店内を見て回ると坂本龍一やはっぴいえんどの往年の名作に紛れて見慣れたジャケットを見つけた。あいみょんの『猫にジェラシー』(4950円)だ。令和の音楽界をけん引するアーティストがレコードをリリースしている事実に驚いた。真野店長は「新作のリリースも盛んで、生産枚数は年々増えている」と教えてくれた。

 コスパ(コストパフォーマンス)やタイパ(タイムパフォーマンス)といった効率を重視する令和に、Z世代があえて「旧式」を選ぶ。レコードで音楽を聴くことの煩雑さや懐かしさをいとおしく感じるからなのだろう。

(まいどなニュース/山陰中央新報)

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