「まさか自分が猫を育てることになるとは思いもしませんでした」。そう語るのは、X(旧Twitter)ユーザー・かむいにゃんさん(@Babu2Kamui)。昨年8月、「保護猫について少しでも知れたら…」という思いで訪れた保護猫のシェルターで運命の出会いを果たしました。
飼い主さんとのご縁が結ばれたのは、キジトラの男の子「神威(カムイ)」ちゃんです。
「ほかの猫ちゃんのなかでも一番、体が小さく、当時は猫風邪のため目ヤニが出るなど衰弱した状態でした。それでも、私がケージに近づくとそばにやって来て擦り寄ったり、甘えようとしたりしてくれる姿に心をわしづかみにされたのです」
こうして、当時、生後推定2カ月だった神威ちゃんは飼い主さんの家族に。素敵なお名前は、アイヌ語で神や仏などと訳される言葉『カムイ(kamuy)』が由来になっています。
「力強く生きてほしいという願いを込めました」
猫風邪の治療を乗り越えて結ばれた絆
お迎え当初、神威ちゃんの猫風邪はまだ重篤な状態だったといいます。飼い主さんは、日々、薬を飲ませたり、目薬をさしたりするなど根気よく治療を続けました。
「仕事中も神威のことが気になってしかたがなかったです」
一方、当の神威ちゃんは体調不良のなかでも、人懐こさを失うことはありませんでした。飼い主さんに抱っこされても嫌がるそぶりを見せるどころか心地良さそうにしていたといいます。
「おうちに来て数日後には、私の手からおやつを食べてくれました。その姿を目にしたときは『慣れてくれたんだな』とうれしく思ったのを覚えています」
さらに、夜、寝る前、飼い主さんに抱っこしてもらうと、のどをゴロゴロ鳴らして甘えるように。今では、就寝前に抱っこしてもらうのが日課になりました。
神威ちゃんと飼い主さんは、日を追うごとに絆を深めていったのです。
猫と暮らし始めて変わったこととは?
神威ちゃんは、現在、生後推定6カ月(取材時)になりました。
今も甘えん坊で、飼い主さんと一緒に遊ぶのが大好きだといいます。
「キティちゃんのぬいぐるみが大好き。投げてもらっては持ってくる遊びがお気に入りです。また、猫じゃらしをくわえて持ってきて『遊んで!』とアピールするなど、小さいころ、体調不良だったことなど思い出せないほど元気な子になりました」
飼い主さんの生活にも変化がありました。出先では、猫用のおもちゃを探したり、仕事の休憩中は神威ちゃんの写真を眺めたりしているそうですよ。
「生活の中心に神威がいるようになりました。まだお迎えしてまもないですが、もう彼のいない生活は考えられません」
神威ちゃんのことを「自分の息子と同じ」と語る飼い主さん。「なに不自由なくずっと幸せに過ごしてほしいです」と心から願っています。これからも、ふたりでたくさん楽しい思い出を作っていくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)