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【おむすび】結が目指す「管理栄養士」は「栄養士」と何が違う? 制作スタッフに聞いた

まいどなニュース 2025年1月17日 8時15分

阪神・淡路大震災から30年となる2025年1月17日。連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)第15週「これが私の生きる道」第75回では、東日本大震災から10カ月後、阪神・淡路大震災から17年後の神戸の人々の様子が描かれた。

結(橋本環奈)は腎盂腎炎と悪阻で入院した際、自分を誠心誠意サポートしてくれた管理栄養士・西条(藤原紀香)の仕事に感銘を受けた。そして、出産後ほどなくして東日本大震災が発生。家族や友人たちがそれぞれにできることをして被災地を支援する中、育児中の自分に今できることは何かと考える結。産休が明ける頃、結は管理栄養士を目指し、もっと大勢の人の未来を支えていきたいと決意する。

第75回で西条は、結衣に向かって「この仕事はあんまり目立てへんし、あんまり知られてへんけど、私は誇りに思てる」と話した。その言葉を受けて決心した結は「管理栄養士になったら、今よりもっとできることが広がる」と、夫の翔也(佐野勇斗)に話す。

管理栄養士は、心にもアクセスできる仕事

公益社団法人 日本栄養士会公式サイトには、管理栄養士と栄養士の違いについて、「管理栄養士は病気を患っている方や高齢で食事がとりづらくなっている方、健康な方一人ひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や栄養管理を行います。栄養士は、主に健康な方を対象にして栄養指導や給食の管理を行います」とある。

管理栄養士という仕事を『おむすび』ではどう描くのだろうか。制作統括の真鍋斎さんに聞いた。真鍋さんは、制作にあたって栄養士・管理栄養士に取材する中で、印象的な出来事に出会ったという。

「ある栄養士の方が入院したときの体験談を、第15週の結の入院エピソードに活かしています。その方はご自身が栄養士なので、自分の体のことや栄養のことはよくわかっているつもりだったのに、倒れて入院することになってしまい、ずいぶん自分を責めたとおっしゃっていました。栄養士はご飯を食べさせることが仕事なんだけれど、入院して病院の管理栄養士に『今は食べないで』『まず食べられる体勢を作りましょう』と言われてすごく救われたといいます。管理栄養士というのは、体にはもちろん、心にもアクセスできる仕事なんだなと、とても興味深く感じました」

西条は、結が次のステージに進むための導き手

第72回で、食欲のない結がソーダ味のアイスキャンディをリクエストして、西条が食感の近い冷凍ぶどうを提供するというエピソードが登場した。実際にもこういうことはあるのだろうか。真鍋さんはこう話す。

「病院により、場合により千差万別ではあるのですが、担当医師の指示のもとベースが決まっている中に少し何かを追加するということはあり得ると聞きました。もちろんレストランのように自由にオーダーできるわけではありませんが、『アイスは無理だけど凍ったぶどうなら』ということは可能かと」

管理栄養士・西条は結にとってどんな存在なのだろうか。真鍋さんは、

「やっぱり自分の身に起こったことって、いちばんぐっとくると思うので、結が入院生活の中で西条の仕事ぶりを見て、『管理栄養士ってこんなこともできるんだ』と身に沁みて実感する、そこから管理栄養士を目指すという展開にしました。西条は、結に『もっと多くの人を救えるんじゃないか、もっと多くの人に自分の経験や知識を与えていけるんじゃないか』という気づきを与え、ひとつ先のステージに進むための導き手となる存在ですね」

結の新たなステージを見守りたい。

(まいどなニュース特約・佐野 華英)

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