9月から12月頃にかけ沿岸部で釣れるタチウオ。今、SNS上ではそんなタチウオの珍しい個体が大きな注目を集めている。
「1000本近くタチウオ捌いてきたけどこんなサーモンみたいな個体初めて。。大丈夫なやつ??」とその身を紹介したのは大学生の松本さん(@just_KasaGoon)。
まるで鮭や鱒のようにピンク、オレンジに近い身色のこのタチウオ。一般的にタチウオの身は透き通った白身なのだが、この色はいったい何に起因するものなのだろうか。
松本さんに話を聞いた。
ーー捌いた時のご感想を。
松本:見た目は他の個体と同じだったのでさばいて初めて気が付きました。普段私はタチウオを下ろすのに先に頭と尾を切り落とすのですが、そこで初めて身の色に違和感を感じました。タチウオの身は真っ白で透き通っていて、処理があまくて血が回っている状態でも赤みがかっている程度です。オレンジという今まで見たことのない色をみて「もしかして…」と思いました。ただ違うのは色だけで骨の構造やさばきにくさは変わらなかったです。
ーー味わいや食感に違いはあったのでしょうか?
松本:炙って食べましたが味は通常のタチウオと何も変わらなかったです。オキアミを食べているから脂がのっているとお言葉を頂きましたが、東京湾のタチウオ自体みんな肥えててとても脂がのっているので、気付けなかったのかもしれません。食べてから体調を崩したりすることも一切ありませんでした。
ーー大きな反響がありましたね。
松本:ここまで反響があるとは思いませんでした。オレンジ色になった原因として私は2つの仮説を挙げました。1つ目がアスタキサンチンによる影響だと思っております。若魚のうちにアミ類を沢山食べて、凝縮されこのような色になったという考察です。2つ目がプランクトンや藻類の影響です。タチウオがオキアミを食べるイメージが私にはないので、個人的にはこっちかなと思っています。
いずれにせよ自然の神秘を自身で体験できて貴重な経験になったと思っています。もう一度このようなタチウオが釣れたら研究員に依頼してこの原因を解明したいと強く思っています。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「すご こんな個体いるんですね‼︎アスタキサンチンの取りすぎですかね??」
「たまに居ますよね サーモンピンク個体」
「管釣りのニジマスもアスタキサンチンが多く含まれる餌を食べてるので【赤身】が強くなってます。食べてた【餌】によるものだと思います。」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。タチウオの場合、身色が赤めだからといって有害であることは稀なようだ。タチウオ釣りをされる方は参考にしていただきたい。
今回の話題を提供してくれた松本さんは日々、XやInstagaramで釣りや魚に関する情報を発信している。ご興味ある方はぜひチェックを。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)