今から3年前、X(旧Twitter)ユーザー・エルさん(@Eru9411)の妹さんは、当時、通っていた高校の出入り口で段ボール箱を発見。中をのぞくと、3匹の子猫が入っていました。
実は、2週間前にも高校で段ボール箱に入れられた子猫たちが保護されたばかり。エルさんは、妹さんから相談を受けて、そのうちの1匹、女の子の「あずき」ちゃんをお迎えし一緒に暮らし始めていました。
「妹は、3匹の子猫を実家に連れて帰ってきました。そして家族で相談の上、2匹を実家で引き取り、もう1匹を私の家で迎え入れることに。それが、しらすです。当時、生後3カ月ほどの男の子でした」
こうして、しらすちゃんは、先住のあずきちゃん、そして飼い主さんとともに暮らし始めたのです。
お迎え直後に脱走ハプニング発生
しらすちゃんは、初日からまったく警戒することなく、部屋の探検をスタート。陽の当たる場所で昼寝をしたり、ごはんもよく食べてくれたり、すぐに慣れてくれたといいます。
翌日、飼い主さんは、しらすちゃんを連れて動物病院へ。健康診断などを受けて、とくに問題がなかったため、帰宅後、あずきちゃんと対面することになりました。
「ふたりは、お互いにまだ小さいこともあってか警戒することなく、すぐに仲良くなりました」
新たな環境にすんなりと慣れてくれたしらすちゃん。ところが、しばらくして飼い主さんを悩ませることが起こりました。
「しらすが、家のドアや引き戸、開き戸などを開けることができるようになったのです。ある日、猫専用の部屋にいたはずのしらすが脱走してしまったことがありました。丸いドアノブは開けられないだろうとたかをくくっていたのが裏目に……。隣家の人から『出て行ったよ』と教えてもらい、あわてて外へ探しに出たところ、すぐそばで日光浴をしていて保護することができました」
飼い主さんは、バリケードを設置して脱走対策をしました。ところが、しらすちゃんは頭突きをしたり、蹴ったりして飛び出してしまいます。最終的に、鍵付きのバリケードを設置することで解決しました。
ふたりの元保護猫がもたらしてくれた癒やし
しらすちゃんは、現在、3歳(取材時)を迎えました。
性格は、のんびりとしていて寂しがりや。いつも飼い主さんのあとを付いて回ったり、あずきちゃんのいる場所に行ってくっ付いたりしているそうです。
「おもちゃで遊ぶのを止めて、私の隣にやって来てちょこんと座ることも少なくありません。いつも誰かと一緒にいたいようです」
飼い主さんによると、しらすちゃんとあずきちゃんは正反対のタイプ。それぞれの好みを考えながら、猫用のグッズを購入したり、生活環境を整えたりする楽しみができたといいます。
「ふたりには、ストレスなく生活してもらいたいと思っています。そのために、おもちゃを用意したり、トイレを多めに置くようにしたり……。あずきとしらすでは、くつろげる場所ひとつとっても好みがまったく違うので、それぞれの性格などを見極めながら整えています」
猫用のこたつを購入したときは、ほほえましい光景を目にしてほっこりしたと語る飼い主さん。ふたりと過ごす時間は、かけがえのないものになっています。
「こたつの中で一緒に暖をとっている姿がとても愛らしくて癒やされました。これからも、ふたりが元気で楽しく過ごせることを第一に考えながら暮らしていきたいです」
しらすちゃんとあずきちゃんは、飼い主さんのあふれるような愛情を受けながら楽しい思い出をたくさん作っていくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)