長毛の「ふー」ちゃんと、短毛の「ペンペン」ちゃんは、元保護猫。ふたりは、譲渡会でX(旧Twitter)ユーザー・もちペンとふーさん(@XDesH1LW4Q53031)と出会いました。
飼い主さんによると、ふたりを迎えたきっかけになったのは、数年前に見た不思議な夢だったといいます。
「サバトラ柄の長毛猫が自分の足元で丸まって眠っている夢を見たのです。夫にそのことを話すと『いずれうちに来る猫なんちゃうか』と言われ、ずっと心に残っていました」
その後、猫と暮らすことができる家へ引っ越したことを機に「あの夢で会った猫ちゃんに会えるかもしれない」と思い、夫婦で譲渡会へ足を運びました。
「とても人懐こい子猫たちのなかで、ひとり、『シャー!』と威嚇しまくっている子に目が留まりました。それが、ふーちゃんです。あの夢で見た猫のように長毛になるかどうかはわかりませんでしたが『うちに来る?』と声をかけると、ゆっくりと瞬きを返してくれたのです。『この子だ!』と思い、お迎えすることを決めました」
さらに、うれしい出会いがありました。
「遊び相手がいたほうがいいだろうと話し合い、もうひとりお迎えすることに。そして、怖がっている子猫の前に出てかばうようにしている子をみつけました。それがペンペンです。私たちはペンペンを迎え、その怖がりな子猫は、義母が迎えることになりました」
こうして、ふーちゃんは生後6カ月、ペンペンちゃんは推定1歳のとき、飼い主さん家族の一員になりました。
お迎え後、明らかになった驚きの事実
2023年10月、ふーちゃんとペンペンちゃんは、飼い主さんの家で新たな猫生を歩み始めました。
当初は、ふーちゃんがソファや布団など布製品に粗相をすることが続き、悩むこともあったといいます。
「譲渡主さんに相談すると、『ペットシートを敷いたトイレに変えてみるといい』と言われ、その通りにしたところピタリと粗相をしなくなりました」
一方、ふーちゃんとペンペンちゃんと過ごす日々は、飼い主さん夫婦にとって癒やしそのものになりました。
「元気に遊んでいる姿を見るだけで元気をもらえます。帰宅するとき、家の窓からこちらをのぞいていたり、玄関まで走って来て出迎えてくれたり……。1日の疲れが吹き飛びます」
ふたりの成長を見守るなか、“あの夢”が確信に変わるときが訪れることに……。
「ふーちゃんは、成長するにつれて被毛が豊かになっていきました。あの夢で見た、サバトラ柄の長毛猫にそっくりな容姿になったのです。そして、私の足元で丸まって眠るように……。その姿を目にして『あの夢が現実になった』と感動しました」
飼い主さんの夢が、正夢になった瞬間でした。
人間好きと猫好き、正反対のふたり
ふーちゃんは、現在1歳に。ペンペンちゃんは、推定2歳になりました。
飼い主さんによると、ふーちゃんは人間好きで猫が苦手。一方、ペンペンちゃんは猫好きで人間は苦手だといいます。
「ふーちゃんは、膝の上にすぐ乗ってくる甘えん坊です。ところが、猫に対しては警戒心が強く『フーフー』と威嚇。その鳴き声が、名前の由来になりました。当初は、ペンペンのことも警戒していましたが、面倒見のよいペンペンに少しずつ心を開き、今ではとても仲良しです」
そして、ペンペンちゃんは飼い主さん夫婦に慣れるまで時間がかかったといいます。
「最初は、ごはんで誘っても遠くから手を伸ばして叩き落とすだけ。それが名前の由来です(笑)。懐いてくれるまで半年以上かかりましたが、今では膝に乗ったり、抱っこしたりできるようになりました」
優しい飼い主さん夫婦に見守られ、ふたりはのびのびと暮らしています。
これからの暮らしへの思い
飼い主さんには、ある日課があります。それは、ふーちゃんとペンペンに「うちに来てくれてありがとう」と伝えること。ふたりには、これからも元気にのびのびと過ごしてほしいと願っています。
「譲渡主さんのお宅では保護猫たちが家族のような関係を築いて、家中を自由に駆け回り、縁側で日向ぼっこしたりする姿が印象的でした。我が家でも試行錯誤を重ねながら、ふたりが幸せに過ごせる環境を作りたいです」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)