「あれは!違うか…」
「ダンゴウオ」という魚をご存知でしょうか? だんごむすめ(@dangomusume1)さんがポストされたのは、ダンゴウオが視線に気が付いてこちらに近づいてきたと思いきや、Uターンした様子です。見て見ぬふりをしているかのようにも見えるダンゴウオさんの動きに、「可愛い」というコメントが続出しました。
「可愛すぎる、このふわーっと漂う感じがたまらん…!」
「お団子に目が生えてる👀可愛い"(∩>ω<∩)"」
「めっちゃかわゆい 抹茶のお菓子みたい♪」
「本当にヨモギ団子みたいな形」
大きさが3~6センチほどだという小さな体と、笑いを誘うような動きがとても愛らしく見えます。あまり聞き馴染みがないダンゴウオですが、どのような魚なのでしょうか。ダンゴウオの飼育とブリードを4年間行っているだんごむすめさんに、詳しくお話を伺いました。
ーーこの様子を最初に見たときの、率直なご感想は?
「餌も何にもないよ!と思いつつも、あれは!と飛び立つダンゴウオはかわいいなと思っていました。野生で生きていけるのか不安になるドジっ子ぶりも魅力のひとつです」
ーー何匹くらいのダンゴウオを飼育されているのでしょうか?
「今は自宅で繁殖したダンゴを含め、30匹ほど飼育しています」
ーーダンゴウオの特徴は?
「ダンゴウオとは? 学名:Lethotremus awae。日本の太平洋側の冷たい海域に生息している海水魚です。寿命は1年で、大人になっても3センチほどの小さな魚です。ダンゴウオの仲間は腹に吸盤があり、この吸盤で海底の石や海藻にくっつき、体色をそれらに合わせて変化させ擬態しながら生きています」
ーーダンゴウオに出会ったきっかけは?
「もともと魚が大好きで、“吸盤がある魚って面白いな”と思いました。その後ガチャガチャで出たダンゴウオストラップがとっても可愛く、実際に見てみたいと思ったことがきっかけです」
ーーだんごむすめさんにとって、ダンゴウオの一番の魅力は?
「ダンゴウオはその見た目はもちろん可愛いのですが、1年という短い寿命の中で一生懸命生きてくれます。普段は動かないのですが、ごはんだー!と出てきたり、そう言った場には出てこない引っ込み思案な子もいたりと性格も1匹ずつ違うのも面白いなと思います。また、自宅で繁殖できるのも魅力ですね!」
ーーダンゴウオ以外の魚や水生植物も飼育されているのでしょうか?
「コクテンフグやホシゴンベ、オニダルマオコゼ、デバスズメダイなど自分で採集した魚を飼育しています。また採集する魚に合わせた餌を用意するため、ワムシやブラインシュリンプ、エビ等も飼育しています!」
ーーダンゴウオを飼育するにあたって、気を付けていることは?
「小型冷蔵庫で通年飼育していることです。ダンゴウオは水温15℃ほどで飼育する海水魚です。日本の暑い夏を乗り越えるため、冷蔵庫内に水槽と外掛け濾過をすべて入れて飼育し、冷水を保つ工夫をしています!」
だんごむすめさんによると、ダンゴウオは地球環境の変化によってその生態にも影響が出る魚だそうで、このように呼びかけておられます。
「ダンゴウオは、環境破壊や地球温暖化の影響が直結する魚です。温暖化が進むと海藻が生えづらくなり、海藻にくっついて育っていく稚魚達は行き場を失って、近い将来には関東からいなくなっていくのではないかと危惧しています。なので、皆さんにも環境に配慮した行動(節電・節水等)をしていただけると嬉しいです」
また、「日々の癒しにダンゴウオを楽しんでもらえるようInstagramやTikTok、YouTubeで発信しています。今後展示やグッズ、生体販売の予定もありますので、フォローよろしくお願いします!」とのことです。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・行橋 友)