Infoseek 楽天

「お店のスピーカーの音かと思ったら…」看板の裏で身動きできない子猫を発見! 救出の先に待っていた“家族の宝物”

まいどなニュース 2025年2月6日 16時40分

元保護猫の女の子「すずめ」ちゃん。普段、おうちでは「すーちゃん」という愛称で呼ばれています。

すーちゃんが飼い主のX(ツイッター)ユーザー・すーちゃんさん(@suzume0904neko)
の家族に加わったのは、2021年9月2日のこと。都内の街中で偶然、保護したといいます。詳しいお話を伺いました。

外出中、突然耳にした子猫の鳴き声

結婚後、飼い主さん夫婦は「いつか猫と暮らしたいね」と話し合っていたといいます。

「猫と暮らすことができる物件に引越しをしました。そして、保護猫カフェに行ってみたり、保護猫についての本を読んだり……。『地域の保護猫を譲ってもらおうか』と話し合ったこともあります。猫と暮らすための準備をいろいろと進めていました」

そんなある日、飼い主さん夫婦は運命的な出会いを果たすことに。外出先で突然、子猫の鳴き声を耳にしたのです。

「最初は、『お店のスピーカーから猫の鳴き声がしているのかな?』と思いました。ところが、周囲を探すと、大きな看板の裏にはさまって身動きがとれなくなっている子猫をみつけたのです」

飼い主さんは、保護猫の本に書かれていた「保護するときは洗濯ネットなどを使うと良い」という方法を思い出しました。近くのお店で必要なものを買いそろえて、子猫のもとへ……。

「子猫は、とても細い隙間にはさまっていました。園芸用の支柱などを使って、何とか表に出して保護。近所の動物病院を探して電話をしました。すると、『連れて来たあとは、どうされますか? 病院では引き取ることはできません。飼えますか?』と言われたのです。『もちろん連れて帰ります』と答えました」

そう答えたことで、飼い主さんは子猫を迎える覚悟ができたといいます。動物病院で診察を受けた結果、子猫は生後推定2カ月ほどであることが判明しました。

飼い主さん夫婦は、子猫を「すずめ」ちゃんと命名。通称「すーちゃん」と呼ばれ、新たな家族の一員となりました。

家での新しい生活とすーちゃんの成長

すーちゃんを迎えた当初、子猫用のミルクもすぐに飲んでくれました。とても良い子だったと飼い主さんは振り返ります。

「数日間はケージで過ごしましたが、すぐに人に慣れ、遊ぶ楽しさやトイレの場所を覚えてくれました。子猫ならではの愛らしさにすっかりメロメロになったのを覚えています」

こうして順調に成長していたすーちゃんですが、ある日、体調に変化が現れました。

「定期的に動物病院へ連れて行き、健康管理はしていたのですが、数カ月後、おなかに寄生虫がいることがわかったのです。きちんとごはんを食べるのに体がほっそりとしていたため心配していました。幸い、駆除を終えると、猫らしい体型になったので安心しました」

当時、飼い主さん夫婦は、コロナ禍のため在宅で仕事をするようになりました。すーちゃんと一緒に過ごせる時間が増えてうれしかったといいます。

「机の上で昼寝をするすーちゃんをなでなでしながら仕事をする……。夢のような時間を過ごすことができました」

こうして、すーちゃんと飼い主さん夫婦は絆を深めていったようです。

赤ちゃんが誕生し、にぎやかな日々

すーちゃんは、とても穏やかでマイペースな性格。ニャルソックに励んだり、押し入れでくつろいだりと、自由に過ごしています。一方で、ごはんがほしいときや遊んでほしいときには、独特な方法でアピールをするそうです。

「ごはんは好き嫌いがはっきりしています。容器に何かフードが入っていても、好きなものじゃないとスルーするんです。お気に入りのフードをもらえるまで、容器の前にただ無言で座り込みます。遊んでほしいときやかまってほしいときも、遠くからじっとこちらを見つめてアピール。我慢できなくなると、かわいらしい声で鳴いたり、あとをついて回ったりします。思うようにいかないと、怒って走り回ることもあります(笑)」

現在、すーちゃんは飼い主さん夫婦と、2年前に生まれた息子さんと一緒に暮らしています。すーちゃんは、家族それぞれに対して、自分なりの愛情を示してくれているようです。

「在宅で仕事をしているパパは、すーちゃんにとって『遊んでくれる人』『エサをくれる人』みたいです。ニャーニャーと鳴きながら、いろいろな要求をしています。一方で、ママのことは仲間だと認識している様子。寝ていると布団に入ってきたり、お風呂に入ると浴槽のフタの上で寝たりしています。息子が泣くと、慌てて駆け寄り、少し離れた場所から見守ってくれるんです」

飼い主さん夫婦が初めての子育てであわただしくしている中、すーちゃんがマイペースでいてくれるおかげで、ほっこりすることも多いといいます。

「息子が寝ついたタイミングで、すーちゃんが『ニャー!』と鳴いて目を覚ましてしまったこともあります。でも、そのたびに思わずクスッと笑って癒やされています」

すーちゃんは、飼い主さん家族にとってなくてはならない存在になりました。

今、飼い主さんが抱くすーちゃんへの思い

すーちゃんは、現在、3歳を迎えました。

飼い主さん家族は、もっと楽しく穏やかに過ごす時間をもてるよう、広めの家に引っ越したといいます。

「これから、すーちゃんのためにキャットウォークなどを作る計画を立てています」

今、すーちゃんとともに過ごした日々を振り返って、飼い主さんはこう語ってくれました。

「すーちゃんは我が家の宝物です。そばにいてくれるおかげで1日100回くらい笑うことが増えました。とても癒やされています。『毎日、ありがとうね、すーちゃん!』と伝えたいです」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

この記事の関連ニュース