歌謡コーラスグループ「純烈」が座長を務める『新歌舞伎座 純烈公演』の初日公演が2月6日に行われ、メンバーの酒井一圭、白川裕二郎、後上翔太、岩永洋昭が芝居と歌を披露した。
芝居とコンサートの2本立て。贅沢な3時間
第1部の芝居『俺たちはダディじゃねえ!』は1950年代のアメリカを舞台にしたミュージカル劇。ある日、花形パイロットのポール(白川)、大リーガーのロック(酒井)、コメディ俳優のリッキー(岩永)という3人の前に、弁護士の卵・ウォルター(後上)が現れる。彼は、ルーシー(谷花音)という女の子の父親を探しているといい、「君たち3人のうちの誰かが父親に間違いない」と言い出す。
ルーシーは3人の男たちの知り合いで、スター歌手のアマンダ(小林綾子)の娘。しかし、アマンダは不慮の事故で亡くなっていた。果たしてルーシーの父親は誰なのか。亡きアマンダの豪邸に集合した一同は、驚きの真実を知ることとなる…。
白川が「ちょっとキザな花形パイロット」役にハマっている。大リーガーを演じる酒井の、昭和日本のプロ野球選手のようないでたちが会場の笑いを誘っていた。岩永の天然っぷりがコメディ俳優の飄々とした役どころとシンクロする。好き勝手ばかり言っている3人の男たちに振り回される弁護士の卵を後上が好演している。
往年のシットコムのような楽しさたっぷりで、白川の舞台映えする美声が「ミュージカル」としてのクオリティを押し上げている。小林や谷ら助演俳優たちの名演も光っていた。
ソロ歌唱と“ラウンド”で会場は大盛り上がり
続いて第2部では、「純烈コンサート2025『BIG⚫︎LOVE』」(※⚫︎は温泉マーク)と題したステージを披露。台湾の夜市をイメージしたセットの中、代表曲の「プロポーズ」や、藤井フミヤ作詞・藤井尚之作曲による新曲「奇跡の恋の物語」を含むヒットナンバーを歌い上げた。
第2部のオープニングMCで、リーダーの酒井がペンライトの扱いにまだ慣れていないお客さんに話しかける一幕があった。酒井が「誰が好きなの?」と尋ねると「リーダー」だという。しかし彼女のペンライトの色を見て酒井が「ちょっと待って、ペンライト赤いやん。(使い方)教えたって!」とツッコむと場内は笑いに包まれた(※赤は白川のメンバーカラー)。さらに酒井が「私の良さがわかる方はやっぱり、お金持ってます。私のような眼鏡で太ってる人間を応援できるのは、経済的にゆとりのある方」とカブせ、爆笑をさらっていた。
また、メンバー4人がそれぞれ思い思いの選曲で歌うソロコーナーでは、純烈コンサートの名物、“ラウンド”を行なった。客席を回ってファンと握手をするメンバーを前に、客席は大盛り上がり。トータル約3時間の公演は大興奮のうちに幕を閉じた。
3月いっぱいでグループを卒業することが発表されている岩永にとっては、これが座長公演として最後の舞台となる。上演は2月17日まで。
(まいどなニュース特約・佐野 華英)