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熊本の大雨は市民が寝ている時に? 地方気象台の調査結果

毎日新聞 2024年6月19日 7時45分

 熊本の大雨は市民が寝静まっている時間帯に襲うことが多い――。こんな調査結果を熊本地方気象台がまとめた。梅雨時期に合わせ1時間雨量が50ミリ以上となった時間帯を分析したところ、夜間から朝方にかけて多くなる傾向が分かったという。同気象台は「原因は分からない」としつつも、暗く避難が難しい時間帯に大雨が降る傾向が出ていることから、早めの警戒を呼びかけている。

 分析は、自治体から発信する防災情報に生かそうと梅雨時期を前に実施した。アメダス(地域気象観測システム)のデータ分析を更新して1976年~2023年までの48年分の傾向が分かるようにし、1時間雨量が50~80ミリとなった回数を時間帯別で集計した。

 その結果、50ミリ以上の「非常に激しい雨」を観測した時間帯は、年間を通じて午前0時から午前8時ごろまでに集中していたことが分かった。

 特に午前0時や、午前2時~同8時ごろは35~50回と大雨が頻繁にあり、6、7月の梅雨時では、午前2時~同3時ごろや、午前6時~同8時ごろまでで30回を超えて観測された。

 過去の大規模災害では、2020年の九州豪雨で線状降水帯が未明に発生して河川が氾濫し、逃げ遅れた住民が続出した。同気象台の担当者は「熊本では夜間から朝方にかけて大雨が降る回数が明らかに多いことが集計から分かる。梅雨期に入ったので、大雨予報が出た場合の早めの避難や備えにつなげてほしい」と話した。

 県内の災害に関する情報は県のホームページ「防災情報くまもと」で確認できる。【山口桂子】

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