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“世界初”こんにゃくビール、群馬で販売開始 ぬるくなると…

毎日新聞 2024年6月24日 19時56分

 群馬大食健康科学教育研究センター(前橋市、粕谷健一センター長)と浅間高原麦酒(嬬恋村、黒岩修社長)は、群馬が生産量日本一のコンニャクイモを原料に使った“世界初”のビール「こんにゃくビール」を共同開発し、24日から前橋市など一部のファミリーマートで販売を開始した。こんにゃくと思えないフルーティーでこくのあるエールビールの一種で、関係者は「全県民や観光客に飲んでほしい」と喜んでいる。

 330ミリリットルの瓶入りで税込み704円。初回は550本を前橋、高崎、渋川、桐生各市の17店舗で販売する。センターなどによるとコンニャクイモを使用したビールは聞いたことがなく、世界初とみられる。

 センターでは、こんにゃく独自のもちもち食感につながる成分のグルコマンナンを酵素で糖に変える仕組みを研究。第二地銀・東和銀行(前橋市)の紹介で、浅間高原麦酒とビールを開発した。麦芽やホップなど従来の原料にこんにゃく由来の糖を5%加え、ビール酵母でアルコールと炭酸に変化させる。

 コンニャクイモには血糖値抑制や抗がん作用などの成分があるとの研究があるが、今回はアルコール化しているので独自の健康効果はない。ぬるくなり、炭酸が抜けるとこんにゃくの香りやえぐみが復活する恐れがあり、冷たいうちに飲むのがおすすめという。こんにゃくとビールという驚きの組み合わせにより、多くのビール好きにこんにゃくをアピールする狙いもある。

 こんにゃくを研究するセンターの向井克之客員教授は「群馬で国内9割以上のコンニャクイモを生産するが、農家の経営は苦しく、オール群馬でビールを作るのは価値がある」とPR効果に期待を示した。【田所柳子】

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