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富士山の山梨側「吉田ルート」で山開き 新たな入山規制始まる

毎日新聞 2024年7月1日 10時21分

 富士山の山梨県側の登山道「吉田ルート」で1日、山開きがあり、県は今年から5合目にゲートを新設して入山規制を始めた。午前10時ごろには車利用の登山客らで受付窓口に行列ができていた。

 規制は、夜通し山頂を目指す危険な「弾丸登山」や頂上付近の混雑を防ぐため、県が今夏から導入。入山者の上限を1日4000人(予約枠3000人、当日枠1000人)とし、午後4時~午前3時は山小屋の宿泊予約者と下山者以外の通行を制限する。通行料2000円の支払いも義務付けた。初日は約1000人の通行予約があった。

 ゲートを通過するには5合目にある県の窓口で通行料を支払うか、通行予約をして事前決済すると送付されるQRコードを提示してリストバンドを受け取る。窓口では、外国人向けに英語で案内するほか、軽装者には装備を整えるよう伝え、安全に登れるよう促す。

 埼玉県日高市の会社員、斎藤望さん(53)は規制について「入山予約をして通行料を払ったが、抵抗はない。富士登山には払うだけの価値があると思う」と肯定的だ。「天候と時間を見ながら、行けるところまで行きたい」と話し、ゲートを通過していった。

 午前10時現在、5合目は小雨が降っており、時折、体を持っていかれそうな強い風が吹いている。外国人も含め重装備の登山者らが次々とゲートを通る一方で、ジーンズ姿で指導員に注意を受けた人もいた。

 富士登山を巡っては、山小屋周辺で野宿したり、薄着やスニーカーで登ったりする登山者が目立ち、救護所を運営するふもとの自治体や、山小屋関係者らの懸念が高まっていた。

 環境省によると、2023年の開山期間中の登山者は、山梨、静岡両県の4ルートで計約22万人。コロナ禍前の19年(約23万人)に迫る水準に回復した。吉田ルートは例年、登山者の約6割が利用している。静岡側の富士宮▽御殿場▽須走――の3ルートは7月10日に開山する。

 通行予約は「富士登山オフィシャルサイト(https://www.fujisan-climb.jp/)」。【野田樹】

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