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藤井聡太棋聖5連覇 最年少で永世称号資格獲得 山崎八段を降す

毎日新聞 2024年7月1日 18時48分

 将棋の第95期棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)の第3局が1日、名古屋市で指され、藤井聡太棋聖(21)が挑戦者の山崎隆之八段(43)を100手で降し、対戦成績3勝0敗で5連覇を達成した。規定により藤井棋聖は21歳11カ月で永世棋聖の資格を獲得(就位は原則、引退後)。自身初の永世称号で、全8タイトルの永世称号の資格獲得でも最年少記録となった。

 これまでの最年少記録は中原誠十六世名人が1971年に永世棋聖の資格を獲得した23歳11カ月。当時、棋聖戦は前後期制で年間2回タイトル戦が行われ、中原十六世名人は一度失冠し、通算5期で永世資格を獲得した。藤井棋聖は2020年に史上最年少で初タイトルの棋聖を獲得すると、連続で防衛に成功し、永世称号の資格獲得の年少記録を一気に2歳更新した。

 23年10月に8冠制覇を果たした藤井棋聖は、4~6月に行われた第9期叡王戦で初めて失冠し4連覇を逃したが、棋聖以外に名人(獲得2期)、王将(3期)、竜王(3期)、王位(4期)、王座(1期)、棋王(2期)の計7冠を保持。渡辺明九段を挑戦者に迎えて6日に開幕する第65期王位戦七番勝負で防衛すれば、早くも二つ目の永世称号(永世王位)の資格獲得となる。

 今期棋聖戦は15年ぶりのタイトル戦となったベテランの力戦派、山崎八段との対戦ということでも注目されたが、藤井棋聖は抜群の対応力を見せ、叡王失冠の影響を感じさせず3連勝で防衛を決めた。

 藤井棋聖は終局後、「永世称号はあまり意識していなかったが、最初のチャンスではあったのでつかむことができたのはよかった」と話し、「歴代の偉大な棋士の一人として刻まれたが」の質問には「光栄なことだが、今後の活躍がより問われるのかなと思っています」と答えた。

 一方、山崎八段は15年ぶりのタイトル戦を終えた気持ちを聞かれると、「3局指して楽しかったが、もっと強ければ将棋の楽しさは無限にあ

ったのかなとは感じた。改めてそういう気持ちにさせてもらったタイトル戦だった」と語った。【新土居仁昌】

安定した差し回し、内容ふさわしく

 羽生善治・日本将棋連盟会長の話 永世棋聖の称号獲得、誠におめでとうございます。初タイトルを奪取した時から安定した指し回しでその地位にふさわしい内容だと思いました。スタイルの違う相手とのタイトル戦の連戦は想像以上の大変さだと思いますがいつも周到な準備と研究を披露されています。ますますの活躍を期待しております。

防衛力の強さに感心

 中原誠十六世名人の話 永世棋聖おめでとうございます。17歳で棋聖獲得、それからの5連覇は見事です。防衛力の強さに感心しました。これからもなお一層の活躍をお祈りいたします。

永世称号資格獲得年少ベスト5

①藤井聡太永世棋聖21歳11カ月(2024年)

②中原 誠永世棋聖23歳11カ月(1971年)

③羽生善治永世棋王24歳5カ月(  95年)

④渡辺 明永世竜王24歳7カ月(  08年)

⑤大山康晴十五世名人33歳3カ月( 56年)

※最初の永世称号を獲得した年齢

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