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作家志望の地域おこし協力隊が着任 今村翔吾さんら支援 宮崎・椎葉

毎日新聞 2024年7月1日 18時1分

 宮崎県椎葉村が、全国公募した作家志望の地域おこし協力隊員「秘境の文筆家」の4人が決まった。1日は村内で着任式があり、各自が意欲を示した。隊員らは、直木賞作家の今村翔吾さん(40)らの支援で、作家としての技量を磨き、商業出版を目指す。

 九州中央山地にある椎葉村は平家落人伝説も伝わり、「日本三大秘境」の一つとされる。今村さんは2年前に同村の図書館を備えた交流拠点施設「Katerie(カテリエ)」を訪れて村民らと交流した。これを縁に村は、今村さんが代表理事の一般社団法人「ホンミライ」(大津市)と1月に連携協定を結び、文化の力で地方創生を目指す隊員を募集していた。

 募集には全国から92人の応募。作品による1次選考や面談の2次選考があった。難関を突破したのは、山口県生まれの田中葵葉(あおば)さん(32)▽仙台市生まれの千葉雲雀(ひばり)さん(29)▽北海道から移住の楪一志(ゆずりはいっし)さん▽島根県生まれの四葉(よつば)ソウさん(23)――の計4人。田中さんは本名、千葉さん、楪さん、四葉さんはペンネーム。

 着任式はKaterieであり、黒木保隆村長が「将来の文壇を支える存在となるようにサポートしたい」と激励し、隊員一人一人に辞令を交付。最年少の四葉さんは「つらい時とか、しんどい時とかに読んでも肩の力がフゥーと抜けるような楽しく読める作品を書きたい」と述べた。今村さんも同席し、「多くの方に支持され愛される真の大衆作家を目指してほしい」と期待を寄せた。

 任期は最長3年。村内で小説などの作品執筆に専念して半年に1作程度を書き上げ、作家デビューや出版に挑戦する。【重春次男】

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