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レッサーパンダの風太、もうすぐ21歳 もう立てないけど人気健在

毎日新聞 2024年7月4日 14時30分

 後ろ脚で直立する姿で一世を風靡(ふうび)した千葉市動物公園(同市若葉区)のレッサーパンダ「風太」が5日に21歳の誕生日を迎える。風太は2023年10月27日に国内最高齢となった。2本足で立つことはできなくなったが、同公園では相変わらずの人気者で、マイペースに余生を送っている。

最近は穏やかに、のんびり生活

 風太は03年7月5日、静岡市立日本平動物園生まれ。04年に千葉市動物公園の仲間入りをし、翌05年になると、りりしい立ち姿で一躍、全国的に有名になった。20歳になった23年はセレモニーが開かれたが、同公園によると、今年は体調が不安定のため、特別なイベントはせず、ケーキに見立てたえさを与えてささやかなお祝いをするという。

 担当飼育員の石田郁貴さんは「小屋の中で丸まっている時間がかなり増えた。穏やかに、のんびり暮らしている」と近況を話す。

 食事は午前9時、午後1時半、同4時半の3回。カットしたリンゴや煮たサツマイモ、煮干しやササの葉の粉末など1日計465グラムを与えているが、ここ最近は食欲が落ちており、胃腸薬を処方しているという。

 また、白内障で右目はほぼ見えないとされる。レッサーパンダは樹上で生活するが、高いところに登ることもない。

人間なら御年80歳 市長も「さん」付け

 野生のレッサーパンダは高地の涼しい土地が生息地だが、日本は夏の暑さが厳しい。そこで、同公園は昨年、クラウドファンディングを実施し、今夏、ミスト装置を稼働させる。冷房が利いた部屋への出入りもしやすいように配慮している。

 同市の神谷俊一市長は6月27日の記者会見で「人間なら80歳を超えるご高齢。昨年の誕生日は全国から人が集まり、『風太さん』の功績を改めて感じた。また元気な姿を見せてくれると期待している」と、敬称を付けて祝った。

 石田さんも「体調の変化を見逃さないで、丁寧に飼育していきたい。この夏も元気に過ごせるよう頑張ります」と話していた。【柴田智弘】

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