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渡辺徹さんをしのぶ公演 出身地・茨城の劇団 「つるの恩返し」も

毎日新聞 2024年7月4日 7時30分

 茨城県古河市出身で2022年に他界した俳優、渡辺徹さんをしのび、市内の劇団「遊童舎」は6、7日、「act・31」を埼玉県加須市麦倉の北川辺文化・学習センターで開催する。「追憶・渡辺徹」を披露するほか、徹さんにゆかりのある「つるの恩返し」も上演。劇団を主宰する渡辺恒久さん(68)は「徹さんをリスペクトし、演劇で街を活性化するきっかけになれば」と願っている。

 渡辺さんによると、古河のアマチュア演劇の歴史は、新劇の名門劇団「文学座」で演出を担当していた故・森田博さんが戦後、古河演劇研究会を設立したのが始まり。森田さんはその後、古河市民劇場なども主宰した。

 徹さんは県立古河三高時代から、古河市民劇場と創造集団ピオネールに所属した。卒業後に文学座付属演劇研究所に入所、1985年に座員になった。テレビドラマやバラエティー番組に出演し、歌手としても活躍したが、61歳で亡くなる直前まで文学座などの舞台に上がり続けた。

 遊童舎は80年に渡辺さんが設立。現在、小学3年生~70代まで15人が所属し、今回は31回目の公演となる。

 第1部は謡曲「羽衣」を基にした「はごろも」。第2部は劇団のピアノとダンスの指導者が贈る「追憶・渡辺徹」。徹さんが師事した森田さんの葬送時と同様のパフォーマンスで徹さんをしのぶ。第3部は徹さんが所属したピオネールが73年に初演した「つるの恩返し」を上演する。当時脚本を書いたピオネールの主宰者が徹さんの文学座入所を後押ししたという縁もある。

 渡辺さんは高校で徹さんの5年先輩。「もっと長生きして、文学座と地元劇団の橋渡しをしてほしかった。古河の演劇界で大きな存在だった」と語る。

 6日午後7時と7日午後1時半に開演。入場料は一般1200円、小中高生600円。問い合わせは渡辺さん(0280・48・6574)。【堀井泰孝】

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