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西山白玲、棋士試験の受験資格を獲得 女性で2人目

毎日新聞 2024年7月4日 12時38分

 将棋の西山朋佳白玲(29)は4日、東京都渋谷区の将棋会館で指された第18回朝日杯将棋オープン戦1次予選で阿部光瑠七段(29)に106手で勝ち、棋士編入試験の受験資格を獲得した。女性では2022年に受験した福間香奈清麗(32)に次いで2人目。試験を受けて合格すれば史上初の「女性棋士」が誕生する。

 「女流棋士」は「棋士」とは棋戦も段位制度も異なる別制度で、女流棋士が棋士編入試験を受けるには、公式戦に女流枠やアマ枠で参加し、直近で「10勝以上」「勝率6割5分以上」の条件を同時にクリアする必要がある。直近の成績が12勝7敗の西山白玲は、この日午前の対局に勝って二つの条件を満たし、受験資格を得た。受験の申請期限は資格を獲得してから1カ月間。

 西山白玲は10年に棋士養成機関の奨励会に入り、16年度前期から三段リーグに参加。2位以内に入ると棋士になれるリーグで19年度後期に3位となり、棋士にあと一歩届かなかった。20年度後期を最後に退会して女流棋士となり、現在は女流タイトル八つのうち三つを持ち、女流5冠の福間清麗としのぎを削っている。

 西山白玲は終局後、「阿部七段は中終盤で力を発揮するので、少し形勢が好転したと感じても気を抜かずに指すことを意識した。勝ち進めないと当たれない先生と当たれるのがモチベーションになっているので、引き続き自分らしい将棋で頑張っていきたい」と上位を目指す意欲を語った。

 敗れた阿部七段は「うまく西山さんにとがめられて、あっという間に不利になった。編入試験が懸かることは意識しないようにとは思っていたが、意識している部分もあった。鋭い手が多く、危ないなと思った手をすぐにとがめる実力があってさすが」とたたえた。【丸山進】

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