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業務禁止命令期間中にマルチ勧誘疑い 経営者ら4人逮捕 警視庁

毎日新聞 2024年7月11日 10時0分

 東京都の業務禁止命令期間中に連鎖販売取引(マルチ商法)の勧誘を繰り返したとして、警視庁生活経済課は11日、コンサルティング会社「President(プレジデント)」(東京都新宿区)の元代表取締役、坂本新(あらた)容疑者(30)=川崎市=ら男女4人を特定商取引法違反の疑いで逮捕したと発表した。

 4人は複数の会社名で「ビジネススクール」を運営。マッチングアプリなどを通じて、「投資が学べる」と20代の若者を中心に勧誘し、「1人紹介すれば10万円の報酬が得られる」と説明していた。2019年10月~23年11月に全国の約2000人から、入会費用として総額約8億5000万円を集めたとみられる。

 警視庁によると、他に逮捕されたのは、いずれもプレジデントの関連会社で、「Monolith(モノリス)」(文京区)の代表取締役、大森航斗(かずと)(26)=墨田区▽「Pioneer(パイオニア)」(同)の代表取締役、奥寺大(ひろ)(28)=名古屋市▽「More(モア)」(新宿区)の代表取締役、森田帆南(ほなみ)(28)=渋谷区――の3容疑者。

 プレジデント、モノリス、パイオニアの3社は23年3月、目的を隠してマルチ商法に勧誘したなどとして、都から特商法に基づいて業務の一部を9カ月間停止するよう命令を受けていた。坂本容疑者ら当時の3社の代表者にも同様の業務を禁止するよう命令が出されていた。

 3社が運営するビジネススクールを巡っては、20代の大学生らから警視庁などに相談が相次ぎ、業務禁止命令後もその件数は増加していた。モアは禁止命令が出された翌4月に設立されており、警視庁はモアが3社の事業を継承して、ビジネススクールへの勧誘を続けていたとみている。

 逮捕容疑は23年4~6月ごろ、ビジネススクールの会員に、いずれも20代の男性7人を新規入会させるよう勧誘させてマルチ商法を続け、都の業務禁止命令に違反したなどとしている。警視庁は4人の認否を明らかにしていない。

 ビジネススクールでは、会員登録費と情報商材タブレットの購入費として、入会時に42万9000~62万7000円を支払わせていた。入会費用を用意できない人には消費者金融への借金を指示するなど、強引な勧誘を繰り返していたという。

 警視庁はモノリスやモアの幹部クラスの会員だった男女3人についても、特商法違反の疑いで書類送検する方針。【加藤昌平、阿部絢美】

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