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徳田虎雄元衆院議員が死去 86歳 「徳洲会」の創始者、ALS診断

毎日新聞 2024年7月11日 9時53分

 国内最大級の医療グループ「徳洲会」の創始者で、元衆院議員の徳田虎雄(とくだ・とらお)さんが10日、死去した。86歳。

 兵庫県高砂市で生まれ、2歳の時に両親の故郷、鹿児島県・徳之島に移り住んだ。大阪大医学部を経て、1975年に「365日、24時間診療」を掲げて徳洲会を発足。離島やへき地を含む全国に医療施設を開設し、「病院乱立で地域医療が混乱する」と批判した地元医師会と各地で対立した。

 中選挙区制時代に全国で唯一の1人区だった鹿児島県奄美群島区に、83年から無所属で立候補。3回目の立候補となった90年に初当選した。自民党の保岡興治氏(2019年に死去)と、島を二分する激しい選挙戦を演じ「保徳(やすとく)戦争」と呼ばれた。

 94年に政党「自由連合」を結成。95年の第2次村山富市内閣に閣外協力し、沖縄開発政務次官(当時)を務めた。初の小選挙区制となった96年衆院選で全国に多数の候補者を擁立したが、自身も含めて議席獲得は果たせなかった。

 02年に全身の筋力が急速に衰える筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断されながら、03年衆院選で4度目の当選。病状が進み、05年の「郵政選挙」を機に政界を引退し、次男毅氏が地盤を引き継いだ。その後も、車いすで移動しながら自由がきく目で文字盤の平仮名を追って意思表示し、理事長職を続けた。

 自民党に入党した毅氏は12年衆院選で3選を果たすが、毅氏の陣営に徳洲会系列の病院職員らを派遣し報酬を支払ったなどとして、親族やグループ幹部ら10人の有罪判決が確定。東京地検特捜部は虎雄さんを選挙運動を主導した「総括主宰者」と認定したが、病状を理由に不起訴(起訴猶予)処分とした。虎雄さんは13年10月に理事長を退任した。

 東京都の猪瀬直樹知事(当時)が徳洲会グループから5000万円を受け取った問題では、東京地検から14年3月に任意で事情聴取された。

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