12日午前3時50分ごろ、松山市緑町1の男性から、「近くの住宅街で土砂が崩れている」と110番があった。
松山市消防局によると、木造2階建て住宅に土砂が流れ込んで家屋が倒壊し、3人が逃げ遅れた可能性があるという。中にいる住民と連絡が取れていない。付近でガス漏れの通報も相次いでいる。
土砂は幅50メートル、高さ100メートルにわたって崩れており、消防などが撤去作業をしている。
現場は、松山城が建つ城山(標高131メートル)の北東側斜面で起きた。周辺は住宅街で、民家やマンションが建ち並んでいる。
松山市は午前5時、災害対策本部を設置し、緑町を含む清水地区の1万3226世帯に警戒レベルが最高の「緊急安全確保」を出した。
近くのマンションに住む80代の男性は「『ゴー』という音が数秒続いたあと、ドーンと地響きがした。地震か竜巻かと思い、恐ろしかった。懐中電灯で照らして外を見たら家が崩れていた」と話した。70代の妻は、女性の悲鳴のような声が聞こえたという。
松山地方気象台によると、愛媛県内では梅雨前線の影響で10日午前10時ごろに雨が降り始めた。11日の雨量は7月平年の総雨量の半分を上回る134ミリに達した。12日も深夜から雨が強まっていた。【中田敦子、井上元宏、山中宏之】