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被災地で「屋根の木が腐っている」 不要修理持ちかけ代金詐取容疑

毎日新聞 2024年7月12日 14時51分

 福島県警組織犯罪対策課などは11日、不要な屋根の修理を持ちかけて高額な代金をだまし取ろうとしたとして、埼玉県新座市のリフォーム会社「アップルホーム」代表取締役、田島拓巳容疑者(23)を詐欺未遂容疑で逮捕した。田島容疑者は不特定多数の集団「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」のリーダー格とみられるという。

 逮捕容疑は5月下旬ごろ、仲間と共謀して南相馬市原町区の住民に「中の木が腐っている」「今のうちに修理しておいたほうがいい」などとうその工事契約を持ちかけ、屋根の修理代として約147万円をだましとろうとしたとしている。

 同課によると、田島容疑者は容疑を否認しているという。東日本大震災の被災地である相双地区を狙い、住宅の屋根の修理を持ちかける組織的な詐欺を繰り返していたとみられる。県警には同様の修理を持ちかけられたという相談が50件ほど寄せられていて、余罪を捜査している。

 南相馬市原町区の60代の男性は5月、自宅を突然訪れた作業着姿の若い男に「このままだと屋根が壊れて雨漏りしますよ」と言われたものの、自分の目で不具合は確認できず、帰ってもらった。近所の複数の知人宅にも同じ男が話を持ちかけ、実際に契約を交わした人もいたと分かり、警察に相談した。

 同様に修理を持ちかけられた隣の60代女性は「逮捕と聞きホッとした」と話し、「今後は知らない人が家に来たら誰でもあやしいと思うしかない」と嘆息した。【岩間理紀、尾崎修二】

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