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米兵と被害少女、体格差歴然「怖かっただろう」 傍聴人から怒りの声

毎日新聞 2024年7月12日 20時51分

 沖縄県で繰り返される米軍関係者による性的暴行事件。嘉手納基地所属の空軍兵による少女暴行事件の初公判があった12日、那覇地裁前には32席分の傍聴券を求めて264人が抽選に並び、関心の高さを示した。

 保釈中のブレノン・ワシントン被告は白い長袖シャツと黒いスラックス姿で入廷。1時間弱の初公判では、終始落ち着いた様子で検察側の冒頭陳述などに耳を傾けた。沖縄本島の公園で撮影された事件当時の防犯カメラの映像が証拠として目の前のモニターに映し出されると、左手をあごに当てながら、硬い表情でじっと画面を見つめた。

 傍聴した宮城公子・沖縄大名誉教授(ジェンダー学)は、がっしりとしたワシントン被告と、検察側が示した少女の体格の差は歴然だったとし「少女は怖くてどうしようもなかっただろう」と心情をおもんぱかった。

 性暴力に抗議する「フラワーデモ」を沖縄県内で主催する浦添市の団体職員、上野さやかさん(44)は「被害者に寄り添う気持ちを示したかった」と花束をかばんに入れて傍聴した。米軍関係者による性犯罪について「再発防止と言うが、事件は今に始まったことじゃない」と批判。「(米軍が)自分たちで(沖縄に)基地を持ってきたのだから、コントロールしないといけない」と憤った。

 初公判に合わせ、米軍はエマニュエル駐日米大使と在沖縄米軍トップのロジャー・ターナー4軍調整官(海兵隊中将)の共同の見解を発表。沖縄で発覚した複数の事件について「県民の皆さまに深い遺憾の意を表明する」とした上で「基地を受け入れてくださる地域との間の信頼と友情の絆を深めていかなければならない」とした。【比嘉洋】

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